日々是迷々之記
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本格的に冬っぽくなり、私は靴下屋にストッキングを買いに出かけた。久しぶりにスカートをはいてみようと思ったのだが、おおかた2年ぶりということもあって、まともなストッキングが見つからなかったのだ。
購入し、家に持って帰って履いてみようとすると愕然とした。指先が荒れているのでストッキングの繊維がちりちりと引っかかり、伝線させてしまいそうでコワイのだ。うむむと考え、手袋をしたらいいかと思ったけど、手元にはモトクロスグローブ、自転車用の指切り手袋、スノボ用でかミトンくらいしかない。これじゃ素手のほうがましだ。もひとつ考えて、ハンドクリームをこてこてに塗ることにした。これならOKなのだ。
しかし、外出先などでストッキングに触れるたびにハンドクリームを塗りたくるわけにも行かない。やっぱり手荒れをしないようにするべきなのだ。
と、誓うやいなや、自転車を整備しないといけないことを思い出した。タイヤがよれているので外してつけなおすつもりだったのだ。ハンドクリームの手はオイルで黒く汚れてしまった。この手のオイル汚れはハンドソープなどではキレイに取れないので、シトラスクリーナーという研磨剤の入った水を使わずに落とせる洗剤を使う。いやはや、せっかく塗ったクリームが。しかもシトラスクリーナーは脱脂効果が高いので、乾燥気味の手肌がよりいっそうがさがさだ。
うむむ。つるつるお手手でするりとストッキングを履こうと思ったら、自転車はいじれないのだろうか?まぁ、軍手をして自転車をいじればいいんだけど、素手の方がやりやすいしなぁ。
この手の葛藤は他にもある。冬場は唇にリップクリームを塗っていたのだが、最近はグロスというものを塗っている。これは色が付いているので、顔色が悪いときにはお役立ちなのだ。口紅ほどどかんと色づかないのも好みだし。しかし、このグロスというものはえらく粘度が高いのが難点なのだ。
自転車に乗るときに付けていると、風にあおられた自分の髪の毛が唇にくっついて、手でとらないと取れなくなってしまうのだ。風が強い日など、四六時中髪の毛を唇から外さないといけない。
その他、バイクに乗っていた時はロングヘアーだとヘルメットからはみ出した部分が排気ガスでねろねろになるけど、ショートヘアだとヘルメットの摩擦の静電気で頭がバクハツするというジレンマもあった。
結局「女のみち」を華麗に全うすることと、乗り物とつきあっていくことは両立できないのかもしれない。どっちを選ぶかは難しいところだけど、結局指をがさがささせつつ自転車に乗り、風でまとわりつく髪の毛にむかつきつつ、たまにストッキングを伝線させて鬱になるようなどっちつかずの道を選ぶだろう。
結局今と同じってことなんだろうか。うむむ。
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