日々是迷々之記
目次


2001年11月30日(金) 台所爆発、第二弾!

ダンナさんが帰ってくるので今日の晩ご飯計画を立てた。メニューは、れんこんコロッケ、大根と人参のなます、もずく酢、ピーマンのオイスターソース炒め、馬刺、ワタリガニのピリ辛鍋にすることにした。これ全部を一から作るとなると気が遠くなりそうだが、なます、もずくは昨日からあるし、鍋は入れるだけ、馬刺は買ってきたものなので、本当に作るのはれんこんコロッケと、炒め物だけなのだ。

まず、コロッケ製作に取りかかる。ジャガイモ、れんこんの皮を剥き、蒸す。その間にウインナーをみじん切りにして炒めておく。じゃがいもが蒸し上がったらつぶしておく。れんこんは刻んでジャガイモの中に投入。そして、ウィンナーも投入。塩胡椒で調味してコロッケ型にする。粉、卵、パン粉の衣をまとわせて、ダンナさんの帰りを待つ。

炒め物のほうはピーマン全量を縦に大きめの千切りにしておく。準備はこれだけだ。

予想より早く帰ってきたので早速、ピーマン炒めを作る。熱したごま油に、すりおろしニンニクを加え、即座にピーマン投入。しなっとしてきたら、塩胡椒で軽く味付け。火を止めて素早くショウユひとまわし、オイスターソースをちょちょっと垂らして全体を混ぜ合わせる。さささっとやるところがポイントなのだ。

時を同じくして、油を入れた鍋を温める。炒め物ができたころ適温になっていたので、いいぞいいぞとつぶやきつつ、コロッケをまず2個投入した。そこで予想しなかった事態が。なんと油の量が少なかったのか、コロッケが分厚すぎたのか、コロッケが油につかりきらないのだ。むむむ!と私はすかさず、大きなスプーンを取り出し、はみ出た部分に油をしゃこしゃこかけた。じゅじゅっと音がしているので大丈夫なはずだ。しかも中は火が通っているので表面さえきつね色になったらそれでいいのだ。

ふふふとまるでもう成功した気持ちになって、私は新聞紙とてんぷら紙をバットに乗せて、引き上げる準備をしていた。その時だ。「じょわじょわじょわ!ブビャビャビャビャ〜」と油鍋が悲鳴を上げた。ヒィ〜と鍋に目をやると、最初に入れた方のコロッケが張り裂けて、なんとも言い難い形状になっている。真ん中から放射状に裂けているので、毛羽だった新種のキノコに見えなくもない。しかし、この油キノコも大事なつまみのうちの1つなので、見捨てるわけには行かない。すかさず、網で引き上げた。ついでに無事な方のコロッケも引き上げた。こっちまで爆発されたらたまらない。

天ぷら紙の上でも、油キノコと化した元コロッケは、ブシュブシュと活動音を立てている。むむむ、なんでなのだ。

冷凍コロッケは、まず失敗せずに作ることができる。(冷凍コロッケを揚げることが「料理を作る」ことになるのかは不明だけど)いつもと同じようにやったのに何でなのだ。ぼんやりと元コロッケを見つめていると、ダンナさんが言った。「中全部火ぃ通ってるんやったら、高温で一気に揚げんねんで。入れた瞬間表面でパン粉が散るくらいやで〜」

おお!そうなのか!うん、そうかもしれない。私は冷凍コロッケと同じようにしていたので温度が低かったのだ。パン粉を落として、真ん中まで沈んでから表面に浮き上がる温度でコロッケを投入していたのだ。いやはや。

気を取り直して、第二陣のコロッケを揚げた。温度も的確だったのか、入れた瞬間じゅっと音を立て、小さな泡に包まれている。触って堅くなったら即ひっくり返したら、きつね色のコロッケがにこにこと油の表面で揺れていた。よしよし、これが正しいコロッケなのだと思うと私も嬉しくなってきた。

かくして、爆発もあったけど、家庭内宴会はとどこおりなく始まり、そして、いつものように気がつくと電気は煌々とついたまま、お皿はコタツにのっかったまま、二人ともコタツのまわりに倒れていたのだった。


nao-zo |MAIL

My追加