日々是迷々之記
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2001年12月03日(月) 師走のトホホ

今日は、郵便局と、銀行と行かなきゃいけないなぁと思いつつ、いつものようにノホホンと家を出た。

病院に着くと、なんじゃこりゃというほど混んでいる。あと1時間で午前中の診察が終わりとは思えない。待合室の椅子に腰掛けることはもちろんできず、人いきれで熱気が充満して暑い。じっと壁にもたれかかって呼ばれるのを待つ。

45分ほど待つと「リハビリの方、お呼びします。○○さん…」といつものようにアナウンスがあった。が、しかし、まとめて10人以上呼んでいる。大丈夫かいなとリハビリカードが渡される診察室へ向かった。すると案の定、中に入りきれなくて、廊下までリハビリ待ちの人が溢れている。「××さ〜ん。」看護婦さんがカードを渡してくれるのだが、呼ばれてもそこまで辿り着くことができない。行ったことはないけど、きっと中国の切符売り場の窓口はこんな感じなんだろう。

そしてカードを手にした10人あまりは、どどどと別棟のエレベーターに向かう。一気にエレベーターに乗り込み、リハビリ室へ。着くと、各々牽引のベッドや、低周波治療器に散る。しかし、それだけのキャパはなく、出遅れたわたしを含む数人は手持ちぶさたにそのへんに座る。

先生も忙しそうで、目が泳いでいた。こういうときは無駄話をせず、てきぱきと済ませて帰ろうと思うが、やっぱり空いてくるとぐたぐたしゃべってしまった。

結局、肩に電気をあてる治療はなんとなく時間切れで今日はやめておき、きんじょの某スーパーに向かった。そこの本屋は曲者なのだが、家から地下鉄で通院するとここしか本屋がないので結局寄ってしまう。女子高生3人組がフロムAを立ち読みして、気に入ったバイト先の電話番号を携帯のメモリに入れている。んなもん、買えばいいのにと思うけど、買えないからバイトするのかなとどうでもいいことを考える。探していた雑誌が見つかったのでレジに向かった。いつものように「袋は結構です。」と言って、鞄を開けてしまう素振りをした。するとまたもいつものように「おシール貼らせていただいてよろしいでしょうか?」と来た。おシールって一体…と思いつつ、「いえ、紙に貼ると剥がしにくいので貼らないでください。」と言い、さっと鞄にしまった。貼らないと困りますと無理矢理貼る店員もいるけど、今日は私の勝ちだ。

こんなことを綴っていると、「がんこババァ」になりつつあるのかなと思うときもあるけれど、自分がそうしたくて私の方が筋が通っているならば、それも可かなと思うようになってきた。もう少し若い頃は、「物わかりの良い穏やかな大人」であろうとしたが、最近は何故かそうは思わなくなってきた。マニュアルに従い、自分で考えることをせずに毎日を生きながらえて行くことがまっとうな生き方だとされるならば、私は異端でいいのだ。

次は郵便局へ支払いをしに行く。その払い込み用紙は窓口でしかできないものなので、番号札を取る。なんと18人待ちだ。どよよんとした気分になるが、払わないわけには行かないのでじっと待つ。が、しかし、30分くらいでしびれが切れて、待つことをやめてしまった。10日までに払えばいいのであと1週間あるし。

家に帰ると、夕方の奥様番組が始まっていた。丸干しと鮭の切り身を焼き、ゴハンを暖め、ピーマンをさっときんぴらにして、遅すぎる昼食を取る。食事をして、コーヒーを飲んでいると、窓の外が夕焼けになってきて、ぐんぐん気温が下がってきた。

今日一日が何だか不毛だったような気がするが、しんと冷えてきたベランダで沈む夕日を眺めていると、ああ、師走ってこんな感じだったんだなぁと2年ぶりの年末をかみしめた。


nao-zo |MAIL

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