日々是迷々之記
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2005年10月07日(金) ひじきマツゲの女

今日は昼から派遣の顔合わせがあった。が、家を出ようと靴を履いた瞬間に呼び鈴が鳴る。ちっと思いつつ居間に戻ってインターホンを取ると、換気扇のフィルター屋だった。百均で売っているようなものを3000円で売りつけるようなその業者に結構です。と言い、家を出ようとドアの覗き窓から外を見たらまだそいつが立っている。

すごく出にくいんやけど、早くどけーと思うが、相手は何だか粘っているようだった。つーか絶対買わないし。どけどけどけーとどけどけオーラを出していたらあきらめて去っていった。この間5分くらいあったように思う。

結果電車に乗り遅れ、待ち合わせに4分ほど遅れてしまった。面接自体が13時からで待ち合わせが12時30分。たいがい15分前の待ち合わせというパターンが多いので、駅から遠いところなんだろうかと思って焦った。派遣の担当者もさあ、遅れていますので早く行きましょうとせかす。が、ところが、隣のビルだった。到着したら12時40分。

さあ、打ち合わせをしましょうと言われた。大体自分が今までやってきた仕事について説明するだけなので、たいした打ち合わせも必要ないのだが、「がんばります!お役に立ちます!って気合いを見せてくださいね。」とか言い出した。

私ははぁそうですねと答えつつ、どっと出る汗を拭く。せかされたのと正味急いでいたので汗まみれだ。額の汗をぬぐっていると、はぁ、なんでそんなに汗かいてんの?みたいな感じで、「お手洗いでヘアとか整えられますぅ?」と言われた。

一瞬何を言っているのかわからなかった。要は私の髪型がなんかイマイチとでも言いたかったのだろう。結構です、と私はその山田優と篠原涼子を足して2で割って冷血動物にしたような巻き髪女に言った。こういう汗を一滴もかかなさそうな人っているよなぁ、マスカラのまつげがひじきみたいだなぁとしみじみ思いながら。

相手の会社に通されても、担当者がまだ昼食から帰ってきていなかった。まだ12時45分だからしょうがない。別に13時ちょうどに来てもええんちゃうのと思う私は間違っているのだろうか?

会議室に通され、担当者を待つ。その間もその冷血巻き髪女は「伏し目がちにならずに、明るく前向きに話してください。」だとか、「口角をあげるようにして。」とか、仕事とはまったく関係ないことばかり注文してくる。だんだん脱力してきた。

そこで、私からの希望(月初めに母親の病院関係の書類仕事をするために午前中半休を取らせて欲しい)は、もう先方に伝えたかどうか訊いてみた。すると、それは今日伺いますから、と来た。私は最初っから伝えてあるし、それが受け入れられなかったらここじゃ働けないんですけど、と思うと、何だか今ここにいることが無駄足になる予感がした。

おしゃればっかりしてないで、ちゃんと仕事しようぜ、と思ってしまうのはわたしがおばさんだからだろうか。

相手側担当者が来ても、甘く見られているのは一瞬で分かった。15分も遅れてくるし、先にメールしておいた私の職務経歴書は目を通されていなかった。何かいい人がいれば雇おうっかな〜みたいなノリである。そこに巻き髪女の「こちらが弊社登録スタッフの○○(私の苗字)になります。」的な、今どきの変な言葉遣い。「おっしゃっていられましたよね。」とか言っている。

まぁ今日は消化試合だよな、みたいな気持ちになり、私も決まり切ったことを一通り説明した。すると、「うちはさ、件数こなしてナンボみたいなところあるからさ、英語がしゃべれるような優秀な人要らないんだよね。」と言われた。それならそれで職務経歴書見た時点で断れよ、と思うが、実際は私を見てちょっと違うなと思ったのだろう。

夕方、巻き髪女から電話があった。今働いているのが20歳代の独身女性たちばかりなので、33歳既婚の私には少し合わないかもしれないという理由で断ってきたと言うのだ。こういう理由って何だかわけがわからんなぁと思うのは私だけだろうか。最初に巻き髪女が職務経歴書をメールした時点で、確認しておけば面接に赴くまでもないわけで。

そんなこんなで今日一日は無駄な日になってしまった。今しみじみと足にできたマメの皮を剥がしつつそう思う。(革靴を履くとマメができるのだ。)


nao-zo |MAIL

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