日々是迷々之記
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2006年01月12日(木) 蔑まれてみました

とうとう、と言うか何というか、母親に生活保護を受けてもらうことにした。正直もうこれ以上の金銭的サポートはきついのだ。ということで母親の住民票がある某区役所に行って来た。

まず初日。生活保護を受けさせたいとの旨を告げると、カーテンで仕切られた個室に案内される。そこにいかにも区役所という感じの三つ揃いの茶色のスーツを着たおっさんがメモ帳を持ってやってきた。この人が大変嫌な感じだった。

最初っからタメ口。まあ確かにルーズなジーンズにスニーカー、ニットキャップにザック背負って行っている私はそこらへんの中坊風なんだろう。中坊じゃなくて、中年なんだけどな。まあそれは置いておくとして、「あんた」はないだろう。そしてその口からでた言葉が「あんたが何で養えないの?」である。

るせっ!バカ者。嫌だからに決まっておろうが。毎日こつこつつまんない仕事して、その収入の約半分をあの母親に持って行かれるのである。それが最悪20年は続く。その状況に耐えられないのだ。

…と思ったが初見のじじいにキレてもしょうがないので、「鬱病なんで働けないです。」ととりあえず全部をまとめて結論だけ言った。他の兄弟姉妹はどうなの?と聞かれたので、長女にあたる姉は所在不明、妹は関東でフリーターしてて経済的に誰かを養えるほどではないということにしておいた。

んじゃ、これ書いて持ってきてと書類を渡される。今話したようなことを書くようだった。それなら最初から書類渡せよ、あんたと話すの時間と気力のムダ、と思ったが言わずにおいた。

そして翌日、母親名義の通帳をあるだけ、年金、国民健康保険の書類などを持って、再び某区役所に出向いた。もう最初から鬱々してつらい。でもここでがんばっておけばこの先20年間の無意味な搾取から逃れられるのだと思って頑張る。

で、書類を渡した。すると質問攻め。母親の通帳を見て、毎月お金を振り込んでいる○○さんて誰?とか、この日32万円下ろして何に使ったの?とか、知らんちゅーねん!という質問ばかり。母親の通帳に誰かがお金を振り込んでもその相手がいちいち誰か知っている娘なんてこの世の中にどれだけいるのだろう。倒れる一ヶ月前に32万円下ろしていてもそれを何に使ったかなんか知るわけないだろう。バカ、黙れ、と私のイライラはつのるばかり。

そして、知りません、わかりませんとばかり返答する私に相手は不信感を抱いたようだった。「お母さん、兄弟何人?」と聞いたときに「知りません。」と答えたのがその決定打となったようだ。これは本当に分からない。ばあちゃん自体が後妻だったので母親は長女と言うことになっているが姉がいたりするからだ。親戚一同が集まって、ということも今までになかったし。

まあ、世間ではそれはちょっと異常なことだろうから、私が嘘をついているとでも思ったのだろう。不審ならそっちで興信所に頼んで調べてくれればそれでいいし。一度、わたしの姉にあたる人を捜そうかと思ったのだが、基本料金が20万円ということでやめた記憶がある。今更見つかったからって用事もないし、私と妹に一切秘密にして連絡をとりあっていたわけだから、それなりに満たされた親子関係だったのだろう。

だんだんこのおっさんとしゃべってると鬱が入ってくる。もう自虐プレイの域に入っている。「んで、本人さんと話せなあかんねんけど、おねーちゃんはいつも付き添ってんの?」と来た。このねちこく親しげなしゃべり方が気に障る。区役所は職員をマナー教室にでも通わせるべきだ。

「いえ、行きません。毎月支払いの時に行くだけです。」と正直に答えたら、あっそう、ふうんと何か言いたげにつぶやいていた。鬱だ。

「じゃ、帰っていいよ。ごくろうさん。」と言われたので私ははてはて?と思いつついろいろ聞いてみた。実際に審査にはどれくらい時間がかかるのか?など実務的な内容が一切話されなかったからだ。すると「こっちから連絡するから。」とのことだった。

帰り道私は大変くらい気持ちになった。何であの人の子供として生まれただけでこんな目にあわなければならないのだろう。法律は何で「子供には親の扶養義務がある」なんて定めたのだろう。法律的には親は子供に好きなことし放題で、どれだけ嫌な思いをさせても、年を取れば「アンタ養う義務あるんやで、ほれ金よこせ。」と言っても何のおとがめもないわけだ。一度でも養育を放棄したら将来の扶養の義務はなくなることにしてほしいものである。

しかし、最悪パターンとして、区役所が姉を捜し出し、私の妹にまで連絡を取り、さあみんなでお金を出し合ってお母さんを養ってくださいね!ということになったらどうしよう。私は絶対自殺するつもりだ。もうええっちゅうねん。疲れました、はいさようならー、でファイナルアンサー。

そんなこんなで私は最近とても憂鬱だ。何かもう疲れたよ、パトラッシュ…。ネロにはパトラッシュがいて最後は天使様が連れて行ってくれたけれど、私の時はどうなるんだろう。私にはパトラッシュもいないし、ここは日本だから天使様も来ないだろう。

疲れたなぁ。


nao-zo |MAIL

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