時々日記な雑記帳

2006年06月29日(木) ss...4

***

泣くのか。
泣くんだろうか。

君が、仮にこの世から消えたとしたらー

窓辺に小さく、足を抱えて座って
その深い夜空を見上げて想う。

君を
彼方を
僕を


見えもしない未来に、何を怯えているんだろう。

人は、死ぬんだ。
生き物は、死ぬんだ。

万物には、死があるんだ。

だけど、いずれも生へと繋がっている。

僕の魂はどこへ行くんだろう。

君を想ったこの時間も、
ぼんやりこの夜空を眺めた時間も、
ふわりと欠伸をしてから、鼻歌を歌ってみた時間も

全てはその末路へ吸収されてしまうのだろうか。

抱きしめていたものは全て砕けてー
ただの空虚な宇宙の一部になるんだろうか。

君も。
僕も。

一粒の粒子として。

じゃあ、いつか一緒になれるのかな。

こんな、遠くにいるだけで「悲しい」なんて想わないくらい
ずっと近くに。ずっと傍に。ずっと一緒に。

魂の繋がり、なんてウソ臭く聞こえても
そう想うだけで、この胸の奥の違和感が少しでも消えてくれるなら
本当は何でも構わないんだ。


でも、やっぱり
胸の一番奥のやわらかい場所は、
なかなか言う事を聞いてなんかくれやしない。

何かを、誰かに、
何処かへ、無性に伝えたくなる。

僕の想いを。

全て吐き出せれば。

どんなに楽だろう。

何処かにいるはずの、君へ届くように。


***

あんまりにも理屈をこねてるから

君に触れるときは、用心してしまう。

それは、怒らせないようにだったり、傷つけないようにだったり、
悲しませないようにだったり、がっかりさせないようにだったり。


口ばっかりは達者で、
自分は世の中を一言で言い表せるんだと信じて疑っていない。

そのくせ繊細で、脆い、世間知らずな思考の持ち主だから、触れるときには用心してしまう。

ねえ、もう少しでいいから
その膜を破って、傷つくことを知ったらどうだい。

傷ついて、かさぶた作ってみればいい。

きっと、治った時には
前よりほんの少し
強くなってるかもしれないじゃない。

君は、もう少し強さを知ったほうが良い。
君は、もう少し弱さを知ったほうが良い。

何も見ようとしないで、
理屈ばっかりこねた膜の中に隠れていたって
何も変わらないじゃないか。

君の本当に望むものなんて、手に入らないじゃないか。

突き破るのは、

君か、
僕か。

よくよく君の顔を見てみたら、
ああ、何だ。
いつも見ている顔じゃないか。

いつでも、僕と一緒にいる、顔じゃあないか。


ああ。ああ。

***

よく、昔はぼろぼろ涙を零してた。

まだまだ先のはずの、大事な人たちの死を想像して
失うことへの拒絶や虚無感で胸をいっぱいにしてた。

それは急に、
寝る前や目覚めた時、
ふとした時に。

その度に、抱きしめてくれる腕の中へ
ぐすりながら涙をいっぱいためて
包まれに行ってた。

その腕は、失いたくない人の腕。

願わくば、永遠にあって欲しい存在。

自分を生んでくれた、原点。

その温度や、感触を
どうしても忘れたくなくて、
絶対忘れないように、と
まだまだ小さい腕で抱きしめ返していた。

目を瞑って、
出来る限りの想いと優しさをこめて
抱きしめていた。

小さな身体は、
きっとぶるぶる震えてて
ずっと嗚咽が止まらなかった。


嗚呼、離れたくない。


どうして、あなたは僕じゃなかったんだ。

もしそうであったなら、
僕とずっと一緒だったのに。

死で別たれる事は無かったのに。


嗚呼、どうしてー


でも、そう想う度に
いずれ
一人で立てるようにならなくてはいけないと
強く想うようになった。

たとえ離れる日が来ても

悲しみや不安ばかりに
心を掴まれないように

失って傷ついて
何も出来なくならないように

ちゃんと、自分が自分の足で立っていなくてはいけない。

願いはひとつ。

あなたという存在が、
もしこの世からなくなってしまったとしても

その存在の強さを
この身の内に持つ事が出来たなら

きっと、自分は
誰かの大事な存在になることが出来る。

この先、
僕が生み出すであろう
その大事な存在を護るための存在になることが出来る。

その子が、僕の腕の中へ
泣きじゃくりながら飛び込んできたとしても

あの時、
僕を包んでくれた腕のように

その子を包んであげることが出来るかもしれない。


たとえこの肉体が、死で別たれようとも
あなたの存在は、きっと永遠。

たとえその温もりに、もう触れることも
包まれることが無くても

この記憶の中に
この僕の中に。
ずっと。
ずっと。


***

またまたしょーとしょーと。
つたない文章。笑
てか統一感を求めちゃいけねえです。笑


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