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キミが見ているのは、他でもない僕なのに―
僕は、酷く遠くを見ているんだ。
遠くを― 遠くを。
キミは、突然未来への約束を持ちかけてきた。
叶うかも判らない、約束。
守れるかもわからない、約束。
僕は、一瞬夢を見た気分になった。
けど、それはほんの一瞬で。
すぐ、その約束が御まま事みたいに感じたんだ。
幼い日に交わす、淡い淡い、指きり、みたいな。
いつまで、僕がキミの隣にいるかわからない。 いつまで、キミが僕の隣にいるかわからない。
だから、守れるかなんて判らない。
けど、その時の僕が小さくうなづいたのは―
少しだけ、希望を持ってみたくなったからだ。
まだ少しだけ、自由度を持ったその約束を どれだけ、望めるのかなんて判らないけど。
その約束の先にある未来がどんなものなのか そんなの、判る訳もないけど。
どんなに、約束を交わすそのきっかけが、 拙いものだったとしても
少しだけ、夢を見るのも悪くないかな、なんて 思ってしまった、その一瞬は 傷つくのが怖かったはずの僕の未来を どう変えていくんだろう。
幻想や勘違いの中で交わした約束なんて、ただの御まま事。 そう考えないと、自分が傷つくからと思っていたはずなのに。
僕の未来は キミの未来は
誰にも、わからない、はずなんだ。
未来は―・・・
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