衛澤のどーでもよさげ。
2009年06月26日(金) どんつく。

幼少時には「高級菓子」とか「金持ちのおやつ」とか言われていたブルボン「ルマンド」を一人で一ト袋食べるという贅沢をしてしまった衛澤です。オトナになるって案外つまらないね。

一ト昔前、コンピュータゲーム雑誌の取材に答えて堀井雄二氏が、当時制作中だった「ドラゴンクエスト4」のシナリオ容量について、だいたいこんな風なことを仰っていました。
「シナリオがどれくらいになるか、(データの)容量では言えませんが、厚さでなら言えます。だいたい二〇センチくらいです」
現在はどのような制作スタイルをお取りなのかは存じ上げませんが、当時の堀井氏はゲームのシナリオやマップをコンピュータシステム上で拵えるのではなく、A4判の方眼紙に手書きしてらっしゃったのです。だから、その紙を束ねた「厚さ」でシナリオ量を表したという訳です。

それと似た感じで、私も自分が現在制作中の御話がどれくらいの長さか、センチメートルで表せるのではないかと考えました。
と言いますのも、私は御話のコンテを書くときにはA4判のコピー用紙を縦長に使って書きはじめ、一枚に収まらなければ末端に新しい紙を貼ってどんどん継ぎ足して書いていくので、長ーいコンテができるからです。これは、一枚単位で書いて頁を繰るのでは頁を繰った瞬間に自分の頭の中がリセットされてしまって御話の流れが判りづらくなるので、このような方法を取っています。一ト連なりに御話が把握できるように、紙も一ト連なりにしている訳です。
だいたい、どんなに短い御話でもコンテは一枚や二枚の紙では収まりませんから、何枚かは継ぎ足すことになり、結果、連判状のように長いコンテができ上がります。

で、現在進行度五〇パーセント程度のコンテを自宅で広げてみました。



手前から六畳、六畳、四畳の部屋です。私は屋外に出て部屋の外から写真を撮りました。普段は蛇腹に折りたたんでA4判の大きさで持ち歩いているものですから、書いている私自身、現在コンテがどの程度の長さなのか把握していませんでした。
長さを巻き尺で大雑把に計測してみましたところ、約九一五センチメートルありました。一〇メートル足らずです。こんなに長いとは予想外であります。もと通り蛇腹に折りたたむのが大変手間でした。でもまだ御話の半分程度しか書いていません。この時点で予定していた中編(四〇〇字詰原稿用紙一〇〇枚程度)では収まらないことが確定してしまいました。私という奴はとことん長編型のようです。

発売開始日から遅れること三日、ようやく入手しました「ペプしそ」。



これね……当たり前においしいんですよ。青しその香りがさわやかで、飲み口は普通のペプシと似た感じで。ファミリーレストランのドリンクバーにこれが入っていたら、普通のペプシより私はペプしそを択ぶかもしれません。
それくらい「飲める」ものだったので、がっかりしました。駄目だよサントリーさん普通のものなんかつくっちゃ。どんなひどいめに遭わされるかどきどきしていたのに。がっかりだ。

今週に入ってからどうも調子が奮わず、実はコンテ作業は上記の段階から進んでいません。有り体に言えば行き詰まっている状態です。
そんな折りに、私の好きな作家さんが制作に必要なものとして以下の三ツを挙げておられるのを思い出しました。
・空から降ってくる何か
・やる気
・無限ぷちぷち
三ツのうちの一ツめ二ツめは、非常によく判ります。その通りです。やる気があっても「何か」が降ってこないと書けないものです。「何か」が降ってきてもやる気がないとそれに気付けないものです。私の場合、「やる気」とは「集中力」のことでもあったりしますが。
しかし三ツめは、私は使ったことがありません。その作家さんが仰るには「悩んで止まってしまった手の寂しさを埋めるのに丁度いい」、「まったく関係のない単純作業をしていると、逆に頭がまわったりする」とのことで、ははあそういうものなのかなあと思い……気が付けば手にしていました。



無限ぷちぷち。あーもう迂闊に影響されやすいんだから。

で、これをぷちぷちやってみた訳ですが。私の筆が滞るときというのは大抵、気が他所にいってしまいがちなときで、そんなときにこれを手にしますと、これに集中してしまうんですよね。「そ、そんなに? そんなにか?」というほど一生懸命ぷちぷちしてしまって、意識が明後日の方に行ってしまうくらい。ぷちぷちしすぎて左右の親指が痛くなりました。そこまでぷちぷちせんでも。
という訳で、無限ぷちぷちは制作中の小道具としては私には不適であったようです。でも愉しいよ。ときどき「にゃー」とか「いやーん」とか言われて。

制作の手が止まるときというのは、だいたい気持ちが落ち着かず、苛々しているものです。そのために書くことに集中できなくなるのが、私の停滞パターンです。その理由が判然としないのも特徴かもしれません。
そんなときは理由を追及するより、休むのが得策です。いい音楽を聴いてゆったりしましょう。たとえば、こんな曲を。



一枚絵をもとに綴られた詞と紡がれた曲と。どうすればこんなクリエイティヴが得られるのだろう。
穏やかになる一方で、何やらとてもせつなく。蒼穹の高みとともに西の風を思います。

それにしても枝豆旨え。向こう一箇月間塩ゆで枝豆しか喰えないとしても平気だ。


エンピツユニオン


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