| moonshine エミ |
| 2007年07月20日(金) 両雄死す、のト書き練習帳。 | ||||
| 著作権というものについては、及ばずながら存じておりまする。 さりながら、ネットの巣の片隅に過ぎぬ我が身、どうかお許しを。 ◆ 中略。 背を無数の矢に指されながら、甘利虎泰、単騎、先陣の板垣方に戻ってくる。 「板垣殿、退け、退けーっ!」 かすれる声で。 甘利、どう、っと落馬する。 板垣ほか、駆け寄る。 甘利「退くのじゃ」 板垣「・・・甘利どの。相わかった」 甘利「謀りごとは、やはり、不得手じゃ・・・すまぬ・・・」 口から血を流しながら、ささやくように言って、絶命。 板垣、一瞬、目を伏せる。 早馬の伝令。 「お館さま、おんみずから、本陣を押し出されまする!」 「甘利殿・・・じきに会おう」板垣、決意の表情で、微笑む。 死相あらわに、草に臥す甘利。 本陣を崩し押し出し、丘から激戦を見下ろす晴信。 「あれは何じゃ」 晴信の影武者となった伝兵衛が映る。 村上「晴信じゃ! 武田晴信はあそこぞ!!」 「あれは・・・・わしか」 晴信のつぶやきに、勘助、はっと悟る。配下に告ぐ。 「お馬印を下げよ!」 晴信の本陣を示す旗々、下がる。 「板垣じゃ!板垣を討ちとれ〜!」村上、叫びながら駆ける。 武田軍、主だった重臣が駆け出すショット。 原美濃、諸角、晴信の弟野信繁、小山田、真田、飯冨。 板垣、激戦の末、落馬しながら雑兵を討ち取る。 「板垣!」 晴信、叫ぶ。 「お退きくだされ!」 今にも駆けださんとする晴信を、勘助、おしとどめる。 「のけ! 板垣を救うのだ!」 必死の表情の晴信。 「なりませぬ、板垣様のお命を、無駄になされるおつもりか!」 晴信、泣き出しそうな顔でとどまる。 青空の下、落馬した板垣は白兵戦。 ぶんぶんと矢をふりまわし、敵を討ち取りながらも、自らも刺され、斬られる。 「旦那さまー!」 主の窮状に、たまらず、影武者の伝兵衛、叫ぶ。 「なに? 影武者・・・」 耳ざとく聞きつけ、村上、悟る。 丘の上にたたずむ真の大将、晴信のカット。 板垣、ざんばら髪で戦い続けている。 JAC仕込みの殺陣で相手をぶったぎりながら、10年前に晴信を諌めた歌を再び詠む。 「はかなくも・・・なおこのもとの、夕映えに・・・・月影やどせ、花も色そう・・・」 其の瞬間、ぶす、と槍で刺される。矢、放たれ、複数刺さる。 華々しいBGM、唐突にやむ。 濁った目で、青天を仰ぐ。輝く白雲。 「・・・・若」 微笑みと共につぶやいて、あおむけに倒れる。 「いーたーがーきーーー!」」 戦場に響き渡る晴信の絶叫。 BGM,再び荘厳に鳴り出し、板垣・甘利の両雄を屠った村上軍が、蹄の音とともに怒涛のごとく押し寄せる。 晴信、涙目で震えている。 「お館さま、お退きくだされ!」 隻眼を見開いて言う勘助の言にて、この回、終了。 |
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