ちゃんちゃん☆のショート創作

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茂保衛門様・快刀乱麻!(1)外法帖
2002年03月04日(月)

※つーいーにー、ついに書いてしまいました、今「外法帖」で一番アツい漢こと榊茂保衛門さん・主役のSSであります。「過ぎし夢 来たる朝」といい今回といい、ちゃんちゃん☆ てばすっかり趣味に走りまくってます(笑)。相方の渋る顔が目に浮かぶわ・・・☆ でもタイトルはふざけておりますが、中身は一応はシリアスものです。
 「過ぎし夢〜」とは違い、こちらは特にネタバレと言うほどの話ではございません。ところどころボカしております。ただし、榊さんの最大の見せ場・第壱拾壱話は過ぎている設定ですので、少々ご注意下さいませ。

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注意:
 この物語は1866年、火附盗賊改が廃止される直前の設定となっております。ただ、史実では実際に何月に廃止されたかは、ちゃんちゃん☆ は知りません。(一応簡単には調べたんですけどね・・・☆)とりあえず、ゲーム本編の話の流れから、勝手に推定した日時にいたしました。その辺りを念頭に置かれた上で、物語を楽しんで下さいませv


茂保衛門様・快刀乱麻!(1)外法帖


 剣術が出来ないと、弱いの?
 弱い男の子は、男の子じゃないの?
 ・・・そんなこと、ないよ。
 お夏、知ってるもの。頑張ってること。
 いつかお夏が、お嫁さんになってあげるね・・・。


「神妙になさいっ! 火附盗賊改よっ!!」
 高らかに宣言し、あたしが十手を突きつけたその先では、今まさに金目の物を強奪せんとする盗賊たちがギョッ! と目を剥いていた。
 まさかあたしたち火附盗賊改に、自分たちの行動を読まれているとは思ってなかった、って感じの顔。・・・ったく、随分とナメられたものよね。

「くそおっ!」
 かくなる上は血路を開こうってんでしょうね、腕に覚えがありそうな1人が刀を抜いて・・・って、ちょ、ちょっと、どうしてあたしのところへ走ってくるのよ!?
「死ねえっ!」
 言うが早いか振り切られた刀は、だけどあたしの体を二等分、ってわけにはいかなかった。とっさに横合いから飛び出した同心が、危うく自分の刀でがっちり止めてくれたから。

「大丈夫ですか、榊さん!」
 刀の柄と峰で、凶賊を斬り捨てずにその場に昏倒させた同心・御厨惣州が振り向きざま、あたしにそう言って声をかけてくれる。
「え、ええまあ。何とか無事ですよ」
 御厨さんの見事な剣術に勢いづいたんでしょうね、他の同心たちも一斉に、盗賊たちを捕縛せんと突入する。

 ───この時まさに、勝敗は決したと思うわ。多少の抵抗はあったけど、こちら側には怪我人以上の犠牲者は出さずに、盗賊たちを一毛打尽にできたから。
 だけど・・・あの盗賊が真っ先にあたしを狙ったのって、やっぱりこの女言葉のせいなのかしら? いかにも簡単に斬り殺せる、って思ったんだろうけど・・・何だか怖い思いをしただけ、損したって感じよね。

 ───あら、ごめんなさい。紹介し忘れていたわね。
 あたしはこれでも天下に名の知れた、アノ火附盗賊改の与力・榊茂保衛門って言うの。もちろん男よ、男。・・・「ほ●えもん」じゃないですからね、くれぐれも間違えないように。


「・・・何だか最近、多いですね」
 引っ立てられていく盗賊たちを見送りながら、御厨さんは苦々しく呟く。
「多いって、押し込み強盗が、ってことよね?」
「ええ。こうも連日出没されたんじゃ、皆が安心して眠りにつけませんよ。一体奴等、何を考えているのやら・・・」
 安眠を妨げられているのは、別に町民たちばかりじゃないけど。他ならぬあたしたちお役人も、夜回りだの取り調べだのって、寸暇も惜しんで働いてる始末だから。まあ、それがあたしたちの飯の種だ、って言われれば、反論できないのが悲しいところね。
 ・・・もっとも最近の、やけに頻発する盗賊騒ぎの理由には、あたしはちゃんと見当がついてるわ。

「御厨さん」
 言って、ちょいちょいと手招きをしたら、さすが御厨さんは他人に聞かれちゃマズい話をするのだと察してくれたみたいね。すっ、とあたしの近くによって耳をそばだてるようにする。
 あたしは口元を隠しながら御厨さんに囁いた。何せ盗賊の中には、声を聞かずとも唇の動きを見るだけで、話の内容を知りうる術を持つ連中がいるって話だから。

「・・・どうも裏の世界に漏れてるらしいのよ。あたしたちがもうじき解体される、って話が」
「・・・・・・・・まさか」
 この場合の「あたしたち」って言うのは、火附盗賊改のことよ。
「信憑性は高いと思うわ。この話が上の方でほぼ決定した直後に、盗賊たちがこぞって暗躍し始めちゃったみたいでね。泣く子も黙る火附盗賊改が無くなるのを幸いに、荒稼ぎしちゃおうって魂胆なんでしょうけど」
「・・・・・・」
「これがホントの、火事場泥棒ってヤツよっ! 盗人猛々しいったらありゃしないっ!」

 ・・・一瞬の間が開いた後。

「よっ、さすが榊の旦那、ウマいっすねえ♪」
「あらありがと、与助。だけどあんた、今までどこに隠れてたわけ?」
「いやあ、あっしは腕っ節はからっきりでさあ」
 大捕物の時にはいなかったくせに、今いつの間にからあたしたちの側に来ていた与助が、うまく調子を合わせてくれる。
 で、御厨さんと言えば・・・あらあら、あたしがした言葉遊びの意味がやっと分かったみたいだけど、どう反応を返していいか戸惑ってるって顔ね。
 全く・・・。だからおカタイって言うのよ。子分の与助みたいにこのくらい、さらりと返せなくってどうするのかしら。
 こーんな堅物が、事もあろうに吉原でも人気の遊女・お凛に惚れてるって言うんだから、お天道様も皮肉な巡り合わせをしてくれたものよね。言っておくけど、ああいう女をオトすには少しは洒落っ気が分からないとダメだと思うわ。・・・本人には言わないけど。気の毒すぎるから。

「ま、それはともかく、あたしたちもそろそろ引き上げましょ、御厨さん」
 これ以上苛めてもしょうがないから、あたしはそう言って真面目一辺倒の部下を開放してあげることにした。


 ───そうなのよ。
 街のみんなにはまだ知らせてないけど、あたしたちの所属していた火附盗賊改は近々、解体されるって決まってるの。
 正気を疑っちゃわない? はっきり言っちゃえばさ。血気にはやった志士だの、盗賊だのが跋扈して物騒極まりないこの時期に、何でそんな無理難題を言って来るのかしら。

 ・・・でも、文句を言ってやりたいのはヤマヤマだけどね。上の方でとっくに決定してしまった事だから、あたしたち下っ端がいくら文句言ったところで、覆るものじゃないのも事実。だから正式に解体されちゃう前に、江戸の盗賊たちを一掃させておくのが、あたしたちのせめてもの最後のお仕事だって、割り切るしかないわ。
 ただ、あたしたち火附盗賊改に所属していたお役人みんなが、失業するってわけじゃあない、って事は断っておくわね。現に御厨さんは、別の町奉行に転属が本決まりだし。まあ彼のことだから、新しい職場でも江戸の街のみんなの平和を守るため、さぞや頑張ることでしょうよ。

 ・・・え? あたしの新しい職場はどこになるのか、って?
 さあてね。でも多分、今までの馴れ合いをなくすとか何とか難癖つけて、御厨さんとは別の町奉行勤めになると見たわ。下々の者が変に徒党を組むってことに、上の人たちは神経尖らせるでしょうから。
 あーあ、御厨さんって久しぶりに、骨はあるわ真面目だわ腕は立つわで、あたしが今までで会った部下の中じゃ最高の部類だったのにねえ。ま、この際だから最後の我が侭とばかりに彼のこと、仕事でこき使っちゃおうかしら(笑)。

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 ───そんなあわただしい、ある日のことだったわ。あたしは珍しく時間が空いたのを見計らって1人で、いつもの場所へ足を運んでる最中だった。
 いつもの場所、って別に茶屋とかじゃないの。長命寺よ。あそこの井戸の水は色々と有名でね、あたしはこの玉の肌の艶やかさを保つために、時々お水を戴いてるってわけ。このところ激務が続いてるし、久しぶりに気分転換も兼ねようと思って。
 その目的地までもう少しのところまで来たあたしは、何やら町人の醸し出す空気がざわめいていることに気づいたの。
「?」
 ひそひそと囁き合ったり、無作法にも指を差したりしている彼らが見ている方向って、どうも同じみたいで。どうやら彼らの注目を浴びるような何かがあるって勘付いて、あたしはそっちに視線を向けたんだけど。

 まさにその瞬間だったわ。

 ボウッ!

 と音を立て、路上で町人風の男が生きながら�倏海┥紊�った�瓩里蓮�

「ぎゃああああああああああっ!」
 火炎男は悲鳴を上げながら、助けを求めるように手をどこへともなく差し伸べる。
 一方、何が起こったのか分からない周囲の人間は、それでも身の危険だけは感じたらしいわね、それこそ自分に火の粉がかかる前にと、一斉に逃げてしまった。
 何が何だか理解できなかったのは、あたしも同じだった。でも何だかんだ言っても職業病よね。急いで燃え盛る人間に走り寄りながら着てた羽織を脱ぎ、バタバタと炎に叩き付けるようにして消火活動に当たったわ。
 程なくして火は消えて、騒ぎは収まったけど・・・そこにはあたしが職業柄、嫌でも見慣れてしまった光景ってヤツが、あったの。
「う・・・っ」
 皮膚まで焼け焦げて、苦悶の形相で胸を掻き毟りながら息絶えている人間って言う、焼け跡ではお馴染みになってる光景が、ね・・・。

 その後、騒ぎを聞きつけて町奉行所の人間が駆けつけて来たんだけど。
 彼らに事情を説明しながらあたしは、何だかイヤな予感がしたわ。とんでもない事件があたしの周りで起きつつあるって、正直言って当たって欲しくない予感が。
 ───だけど、実際。
 その事件はあたしを、思い出すもおぞましい事件へと巻き込んでいく発端になってしまったのだった・・・。

《続》

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※これ多分、ものすごく長くなること請け合いです。ちゃんとケリつけられると良いんですが。
 ところで文中で、榊さんが御厨さんとは別の町奉行所に配属されてしまう、と書きましたが、勿論創作であります。何せ「邪」ディスクでは榊さん、全然出てないんですもの。御厨サンは町奉行所へ転属になった、ときちんと自分で言ってるのにね(涙)。
 ただ、これはこれで彼らみたいな役人にはイイコトなのではないか、と思うんですよね。変に一個所で馴れ合っているよりは、離れていてもそれぞれ自分の成すべき事を行なって、お江戸の平和のために日夜働く、って言うのがロマンじゃございません? ちゃんちゃん☆ だけかなあ?






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