little by little
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新宿駅に着いたとき、 あまりの人の多さに、げんなりした。
わたしの住む町は、田舎で。 お祭りのときくらいしか、こんなに人は溢れない。
先に新宿に着いていた彼に電話をして、 友人と三人でルノアールでお茶をした。
二年振りの再会は、照れくさくて。 向かい合うでもなく、隣り合うでもなく。 彼の斜め前の席に、わたしは座った。 彼の顔を見ることは、なかなかできなかったけど、 優しい声は、あの頃と何も変わってはいなかったし、 だけど、だからこそ、あの頃の二人ではないという事実は、 わたしの胸を苦しくさせた。
同じホテルに泊まることにしてたけど、 其れは、わたしがもう彼をなんとも思っていないから平気だと思って選んだことで、 わたしは嘘を吐くのがとても上手なので、 時々、自分自身さえ上手に騙し過ぎて、 大切なことを見失ってしまうのだろう。
だって本当は、まだこんなに彼に焦がれていたのだから。 でも其れを認めるわけにはいかなかったから、 言い訳するかのように繰り返した。
「あれは恋じゃなかったし。わたしはアナタを好きだったわけじゃなかったと思う。」
それに、わたしには「誠実な恋人」がいたし、 彼にだって・・・。
だからそんな風にして諦めるしかなかった。 手を伸ばせば届く距離は、余計に悲しくなったけど、 悲しい顔なんてできるわけもなかったから。
アイス柚子ティーは、汗をかいていて。 其れはわたしが流せなかった涙の代わりのようだった。
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