はなこせんせいの日記
教育の現場の様子と気付いたことを折々の出来事に載せて綴ります。

2010年07月15日(木) 知恵比べ

子供とかかわる仕事をしていると
つくづく、子供は何でもわかっていると
思います。

久保田脳研のくぼたかよこさん(かよこばあちゃん)も
「子供と知恵比べじゃ!」と
たびたびいっていて、
本当にそのとおりだと思います。

なにより、
0歳のわが子ですら
すでに、知恵を振り絞って
どうやって大人を思い通りにしようか
考えているのです。

その、粘り強さといったら
本当にすごいです。

抱っこしてもらおうと
うえ〜ん!と泣き声
顔をみると
ないてないよ、
まったく声だけ。

待っててねといわれると
顔をゆがませて
さらに「え〜ん」
でも、決して泣いていない。

「今ね」といいつつ
朝忙しい母を見て
泣き顔をしていたのに
すぐにけろっとして、
段差のある座敷をおりて
パパに向かって
「え〜ん」

パパと顔を見合わせて笑いました。
結局パパがすぐ抱くので
パパを見ると
「え〜ん」の声のみ。

抱っこしてって子供が言ってから
抱いてあげてよとママがいっても
パパが甘いのもお見通し。

子供って賢いわ・・・ホント。

今日も、年少さんの男の子の
ナイスガイぶりに(ナイスガイって死語ですか?)
びっくりしました。

帰りのバスの準備をしている時のこと
ある子が「副園長先生大好き!」といって
私が「うれしい〜」といったところ
ほかの子たちも
「僕はよしえせんせいすき」
「私はくりせんせいすき」
などと、次々と、好きな先生を言い始めました。
そのとき、「ぼくは・・・」と言いかけた男の子。
いつもべったりの大好きな先生がいるので
きっとその先生を言うだろうと思っていたら
たまたま、バスの担当の先生が
確認のため、その場をさっと離れました。
すると、
きっと、先生悲しいのかな?とでも思ったのでしょう。
その先生の姿をぱっと目で追って
「ぼくは、りえせんせいすき」と
聞こえるようにいっていました。

く〜、この配慮!
世のお父さんたちが
まねできれば
どの家族も安泰ですね。

たった4歳ですら
すでにこのレベルですから。
子供を侮ってはいけません。

子供は純真です。
まっすぐです。
自分の欲求をいかに通すか
真剣に突き進みます。
演技もします。
親の痛いところをついてきます。
心配心も利用します。
すべては、自分の思いを実現するため。

だって、子供には手段が少ないのです。
車は運転できないし
お金も自由にならないし
背は低いし
子供だって思われてるし。

やりたいことをするためには
絶対に人の手を
大人の手を借りる必要があるのです。

大人が、それを見抜けるか。
まさに真剣勝負の知恵比べ。

やりたくないことがあれば
そそと、または大泣きで
それらしい理由を言って訴えたり
時には本当におなかが痛くなって
苦手なことを休んだり。

そんな時、あわてて子供の目の前で
うろたえたり、誰かに文句を言ったりしては
子供の勝ちです。
子供は、「こうすれば、大人が動くんだ」と
しっかり学習して
同じことをまたします。
特に母親は、子供を「感じて」しまいがちです。
子供の少ない言葉から、多くのことを想像して
内容を組み立ててしまうのです。
でも、それは言葉の出ない乳児のうちだけ。

困ったときには
言葉で説明するように、伝えましょう。
小さくても。
そして、子供の言葉を聴いてあげる
少しの余裕を持ちましょう。
言葉が達者になってきたら
その言葉が、何を言いたくて
本当は何を主張しているのか
じっくりと考えながら聞きましょう。

そして、できることとできないこと
我慢も教える必要があるかもしれません。
できる方法を伝えることも大切です。

幼稚園でも
「伝えなければわからないよ」といっています。
人に伝えることは
自分の考えを整理することにもなります。
常に言葉で伝える訓練は
論理的な思考力も育てます。

一学期も終わりに近づき
いろんな面で成長してきた子供たちです。
たった3ヶ月の間に、特に新入園児は
びっくりするほどの成長振りです。
大人も負けないように
しっかりと、ついていきたいですね。

明日の終業式に向けて
寝不足頭を振り絞る(一学期、終わるなあ・・ホ!)

副園長 松橋でした。


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