はなこせんせいの日記
教育の現場の様子と気付いたことを折々の出来事に載せて綴ります。

2010年10月23日(土) 忘れないで!

生涯フェスタ、お疲れさまでした。
年長児は新曲に挑戦しました。
昨日まで、何とかがんばっていましたが
今日はとてもまとまっていました。

昨日までリズムが合わずに
「合奏はあわせる演奏という意味だよ、
心を合わせて、指揮をしっかりみてね!」と
話し合いながら進めました。

そして今日
よくがんばっていました。

あのように、たくさんの団体が演奏すると
それぞれ比べたりするので
今日はじめての演奏は
少し物足りなく聞こえたかも知れません。
年長さんの保護者は
演奏も沢山聴いていて
耳も肥えてきているでしょうし
ますます、いろんな感想をお持ちでしょう。

発表すると
「完成したものをみる」という意識が強くなりますね。
ですから、理事長によく言われます。
「中途半端ならやらないほうがいい。
その場で見る人は
それまでの経緯も知らないし、
そのものがうまいか下手かしか
判断できないのだから。」

そうですが・・・
あえて言わせていただきます。
百石幼稚園は
子供達にたくさんの経験・挑戦をさせたい。
そのためには
沢山の「初めて、なれない」時期があります。
それがたまたま
何かの発表だったとしても
そして完成形が
園内だけの発表だったとしても
子供の育ちの流れにそって
力をつけていって欲しい。
子ども達の発表は
園の宣伝道具ではないから。


それにしても
すごい!と改めて思いました。
今回の新曲、1週間半の練習と言いましたが
実際毎日忙しい ももようっこは
一日に1時間も練習できればよいほう。
つまり、10時間にも満たない時間で
1曲演奏できるようになるって
これはもう
天才児ですよ。
沢山の経験の積み重ねで
短時間で身に付ける力が
ぐんとついていることが
証明されました。

忘れないで下さい。
皆さんの子供達は
すごいことをしているのです。
日々当たり前のように感じているかも知れませんが
本当に、これだけのことを
毎日している園児はいませんよ。
遊んで、作って、学んで
日々が充実して、ぐんぐんと成長する。

実際、ここ1週間は
毎日演奏がうまくなるのが
手に取るようにわかって
聞きにいくのが
楽しみでした。

この調子で小学校も中学校も過ごしたら
本当に何でもできる天才になります!

自分達の活動を誉めるようで
気が引けるけど
でも、見えない部分なので
今日は思い切って言います。

皆さんのお子さんは
すごいですよ!
何でもこなす
スーパー園児ですよ!
そして気持ちも優しくて
頑張り屋さんの良い子達です。

短い練習期間のなかで
嬉しかったエピソード。
太鼓の子のリズムが早かったので
「先生の指揮と一緒にたたいてね」と言ったら
1回でリズムを合わせて
ピタ!っと曲が決まったのでした。
漫画のように目から涙が飛び出すほど
感動しました。この子も天才だ!すごい!そう思いました。

私達が目指す完成形は
子ども達の20年後です。

今、良いところを取り繕って
そのために子供を追い込んでも
何にも良いことはありません。
子供からあふれる力を
上手に流れるように調整していく時期です。

それでも子供達は
今今も
素晴らしい力を見せてくれます。

そのことに
慣れないようにしよう。
子供ができるのは「あたりまえ」じゃない
沢山の経験の実りと
努力のあと。

まあ、皆さんは
きっとわかっていると思います。
改めて言わなくても。
ただ、しみじみ思ったので
長文ですが、お伝えしました。

思えば、卒園まであと5ヶ月。
ああ、また出発のときが来る。

残された時間はもう少し。
最後まで、子供の育ちを広げたい。

副園長 松橋でした。






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