「硝子の月」
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「あんたの目的は何なんだよ」 それを聞いておかなくては返事は出来ない。少なくとも物凄い悪人ということはないようだが。 「お前、この大陸がなんて呼ばれてるか知ってるか?」 ティオの問いには答えず、グレンは唐突にそう問い掛けた。 「『第一大陸』だろ? 馬鹿にしてんのか?」 自分の住む大陸の異称くらい五歳の子供でも知っている。 「じゃあ、何故そう呼ばれるのかは? 『じおぐらふぃー』最大の『魔法大陸』でも最小の『機械大陸』でもない半端なこの大陸が何故最初に数えられるのか」 青年は口元に笑みを浮かべて目を細める。
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