「硝子の月」
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2004年06月05日(土) <災いの種> 朔也

「というわけで僕の愛しい仔猫ちゃんはどこかな?
 キリキリ答えてくれたまえ」
「お前のいない所だろ?」
 わかりきったことを投げやりに答えながら、ティオは心底興味なさげにアニスの首元を撫でた。アニスは甘えるように目を閉じて、うっとりとその指先を受け入れている。
「僕のいない所……はっ! そうかこの僕に見つけ出しておくれと?
 これが俗に言う『捕まえてごらんなさいウフフ』ってものかそうなんだねルウファ!」
「なーアニス、今日は久しぶりに一緒に散歩でもするかー?」
「ピィ」
「よーしわかったよルウファ!
 すぐにでも君を見つけ出して『つかまえたぞコイツ☆』と額をつんと」
 ごっ!
 話に熱中していたシオンの額を、何の気なしに開けられたドアがまともに直撃した。


紗月 護 |MAILHomePage

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