「硝子の月」
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2004年06月09日(水) <災いの種> 瀬生曲

「あら、ごめんなさいわたくしったら!」
 その場に倒れ伏した青年の傍らに、深青色ディープブルーの瞳のお嬢様はおろおろと屈み込む。
「お嬢様、そのようなことは私が」
「でも、ドアを当ててしまったのはわたくしです」
 ティオとしては胸中でお付きの少女に同意していたのだが、わざわざ口を挟むことはしなかった。
 建国祭は1日では終わらない。今日も彼女等は正装していて、これから出かけるところらしい。朝食時には昨日と同じく「夕方はご一緒しましょう」と言っていた。


紗月 護 |MAILHomePage

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