のづ随想録 〜風をあつめて〜
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【のづ写日記 ADVANCE】

2002年01月30日(水) 球春、間近。

 今年は日韓共同開催のワールドカップサッカーが世間を大きく賑わすことになるだろうが、やはり俺はプロ野球の動向も見逃せないな――今日はなぜかそんなことを改めて思う一日だった。
 昨日は阪神ファンの友人からメールが届いた。もうすぐキャンプイン、楽しみだな、というような内容。そうなのだ。このキャンプの時期はオノレの贔屓の球団や他球団を好き勝手に評論できる、いわば“プロ野球シーズンで最も楽しい時期”である。我が家では来月からは日刊スポーツの宅配をも手配し、キャンプ情報はしっかりチェックできる体制を整えた。俺自身の準備は万端と言っていい。
 今日、水曜日は「週刊ベースボール」の発売日で、出勤途中にしっかりとファミリーマートで購入、仕事の合間にぱらぱらとページをめくっていた。各球団のキャンプ事前情報の特集もあって、これは長風呂のお供にちょうど良いぞ、とほくそ笑む。
 とあるお客さんのところでは、雑談の中から星野阪神はどうなるのか?――というテーマで激論を交わす。その人はアンチジャイアンツなので、あまりジャイアンツの話ができないのがつらい。ふと、大学時代の後輩の女の子の父親がかなりなジャイアンツファンだ、という話を思い出した。
 事務所で残業の資料作りを終え、営業車の置いてある駐車場へ。車を止めた時には気付かなかったのだが、ちょうど運転席の扉の下に、小さなボールが転がっていた。近所の子供達がこの駐車場で遊んでいて、そのまま置き忘れたのか、それは月灯りに照らされた軟球だった。
 俺はそっとその軟球を拾い上げた。軟球の凹凸が懐かしく手に馴染む。肩から下げていた鞄をそのまま地面に置くと、俺は大きく振りかぶってその軟球を駐車場を囲っているコンクリートの壁に投げ付けた。やや高めに浮いたが、今シーズンからストライクゾーンも広がることだし、ストライク! と心の中で呟く。
 寒風の中、23時ちょっと前に帰宅。スーツを脱ぎながら、ふと「ああっ! しまった!!」と声を上げる。
 どうしたの? とツマが怪訝な顔でやってきた。
「せっかく買った週刊ベースボールを営業車の中に置き忘れてきちゃった!」――ツマは黙ってそのままコタツに戻って行った。

 球春、間近。


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