最近、ちょっとまたいろんな本を読みたい衝動に駆られている。 いつだったか滋賀の出張中に、とある上役に、 「あなたくらいの年代だったらどんどん本を読んだほうがいいですね。それこそどんなジャンルでもいいんですよ。一週間に一冊くらい、読んでみるべきですよ」 とやや熱く語られたのがどうもココロのはじっこのほうに残っているようだ。彼とそんな話をする前から、実は今年に入ってから俺はすでに数冊の本を読んでいた。とはいっても、かなり趣味に走った方面の本だけれどね。書店や古本屋へ足を運ぶたび、実務に役立つビジネス書なんてのも手には取るのだが、しばらくすると「また今度でいいやあ」ということになってしまうのだ。我ながら情けない。 で、どんな本を読んでいるかというと、あいかわらずの蕎麦関連の本をまず一冊。蕎麦にはかなり五月蝿くなりましたよ、あたしゃあ。 蕎麦といったら酒でしょう、という流れから、居酒屋関連の本。これはちょっと変っていて、かのシンガーソングライター――というよりは、お笑いタレントのイメージが強いだろうか――なぎら健壱著の一冊である。随分古くさくて自由気ままな呑み方をしている彼の体験談風のお噺で、そうは体験できるような話でもなくて結構読ませる。なにより、読んでいるとなぎら健壱の口調が頭の中で響いて、よけい可笑しい。 最近はたてつづけに椎名誠の小説を読んだ。読み返したのが一冊、古本屋で見つけて今回初めて読んだのが私小説集『はるさきのへび』。これはそれぞれのテーマひとつひとつが俺のココロを軽く弾いてくれて、読んでいてなぜかとても心地よかった。そしてまた、こんな風なテーマで何か俺も書いてみたい――なんていうソラ恐ろしいことまで考えてしまった。まあ、時間が許せば、いずれ。
――時間が許せば、か。 ここ最近、妙に仕事が増えてきて、なかなかゆったりとした時間が作れていないなあ。仕事のせいにはしたくないけど、ココロや生活に“ゆとり”がなくて、単調な日々がデジタル時計のように過ぎてゆくのに流されてしまっているようだ。 そうそう、最近、妙にココロが落ち着いた一瞬があったんだ。 先日、黄金週間の休みを利用して、ツマを連れて俺の高校時代の友人の家に遊びに行った。 彼は昔から多趣味な男だった。彼の好きな絵が飾られ、本やCD、ビデオテープなど俺のココロを揺さぶるものがいつも壁一面に整然と並べられていて、たとえ仲間との会話が途切れてしまったとしても、部屋をぼんやりと眺めているだけでとてもゆったりとできる、そんな部屋だった。 結婚して居を構えた彼の家の居間は、まさに学生時代によく遊びに行った“あの部屋”の風情だった。彼愛用のパソコンがあり、CDやDVD、雑誌、彼のコレクションなどが並べられていて、俺は学生時代に彼の部屋に遊びに行った感覚にタイムトリップしてしまった。 ココロをリセットする瞬間って、大切なのですね。
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