一応ね、ココを書くときはちょっとくらいは構想を練ったりするんですよ。 アレ書いてコレ書いて、ああ、あのエピソードは面白かったから“小さな笑い”として書いておきたい――などなど。ところが、まあ、キーボードに向かってばちばち打ち始めるとそんな構想はどこへやら、いつの間にか本来書こうとしていたテーマとかなり違ったところに話が落ち着いてしまう、なんてこともあるわけで。 それはそれでいいやあ、なんていつも投げやりに思っているんですけれど、小ネタと呼ばれる“小さな笑い”までも書きそびれるとなると、それがいつまでも心の奥底のほうにこびり付いていたりもするわけです。ああ、勿体無い事をしたなあって。 で、まあ、本日は『いつの間にか8,000アクセス突破記念』として、そんな小ネタを連発してしまおうかと。どうでもいい話ばかりなので覚悟してください。
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■JR松山駅で立ち食いうどんを食べていたら、店内の有線からものすごい曲が流れていた。
井上望 『ルフラン』
ああ、知らないですか。そうですか。そうでしょうね。 (もっとびっくりしたのは、その後この『ルフラン』を、松山市内の有線で何度か耳にしている、ということである。松山市と井上望、その背後にどんな因果関係があるというのか)
■昨年、カーナビの便利さに感動した話をココでも書いたけれど、ある日、会社の後輩とカーナビの話題になって。 高機能のカーナビとなると、目的地を声で言うだけでカーナビがそいつを認識して、目的地までのルートを自動で設定してくれるというのだ。「東京ドーム!」と言うだけで、カーナビの画面にはそのルートが表示される。 便利だ。 その後輩は音声認識カーナビを使ったことがあるんだけど、と言った。だけど? 「便利かもしれないんですけど、時々ちゃんと認識しないことがあるんですよ」 「ううん、機械のことだから、それは仕方がないかあ」 「認識しないんじゃなくて、“間違って認識される”のが鬱陶しいんです」 「ああ、カーナビが“聴き間違える”わけだ」 「そうなんです。『ファミレス』って言ったら『三重県』って認識されたことがありました」 「面白い。“三重県”ってあまりに漠然としてるなあ」 「『お台場海浜公園』って言ったら、『太宰府天満宮』と認識されたことも……」 「面白すぎる。何も考えずにカーナビに従っていたら、九州まで走らされちゃうんだ」 「……気付きますけどね、フツー」
■飛行機にいろいろ鮮やかに絵が描かれているのがあるでしょう。ミッキーマウスだの、ポケモンだの。 ある日、羽田空港に降り立った俺はタラップの窓から『松井秀樹』の顔写真がでかでかと施された飛行機が隣のゲートに停まっているのに気付いた。日本航空の飛行機。 あんなふうに自分の顔が描かれているのって、どんな気分なんだろうなどと他人事に考えていると、ちょうどそこが乗客の荷物が入ったコンテナが入る扉になっているようで、ちょうど松井の顔の“口の辺り”がうぃぃぃぃぃんと縦に開いた。そして続々と松井の口からコンテナが吐き出されてくる。 なんか、タイムボカンの『今週のびっくりどっきりメカ、発進〜!』みたいで、ちょっと笑った。
■移動中の山手線にて。目の前に座る女子大生風ふたりの会話が聞くともなく聞こえてくる。 「そう。それでね、しょうがなくユミコと待ち合わせすることになったのよ〜」 「信じらんない〜」 「でしょう、で、なんか、コンビニで待ってるって言うのね、ユミコがぁ」 「ひどいねえ。あり得ない〜。どこのコンビニ?」 「ええと、なんて言ったかな。ほら、変な名前のコンビニ」 「変な名前? ――ファミリーマート?」 ひどいのはおまえのほうだぞ。ユミコはそんな奴じゃない。
■池袋の地下街を歩いていた。ちょうど帰宅時間と重なって、通路はけっこうな人出である。 すこし距離を置いた前方から、女子高生3人が横に並んでこちらへ歩いてくるのが見えた。制服の黒ミニスカートと足にスカートをはいている様にも見えるルーズソックスはまあ譲るとしても、今時どこに生息しているのだ、と聞きたくなるようなガングロの3人。周辺などお構いなしにぺちゃくちゃと話しながらの3人横並び歩行は明らかに通行の迷惑だったけれど、通行人とぶつかりそうになるとひらり肩をかわして歩いているのはちょっと絶妙だった。 通路がすこし狭くなった。相変わらず傍若無人の3人横並び。迷惑だなあ……と思っていると、ふと彼女達が動いた。3人のお喋りテンションはなんら変わることなく、横並びがすっとタテ一列のフォーメーションとなり、狭い通路の雑踏をすいすいとすり抜けてゆくのである。鮮やかだった。 スカート姿にガングロ3人の絶妙な動き。俺はこうツッコまざるを得なかった。 「おまえら、黒い三連星か!」
(ナイスツッコみなんですけど、ああ、知らないですか。そうですか。そうでしょうね)
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