開店と同時にスーパー銭湯の露天風呂に飛び込み、贅沢な朝風呂と洒落込むつもりでいたのだが、目が覚めたら11時過ぎ。昨晩、友人の家に招かれていたツマを深夜に迎えに行って、目覚まし時計代わりの携帯電話をバッグの中に入れっぱなしにしてしまっていて、アラームに気付くことなく死んだように眠りこけてしまった。朝の光の中で露天風呂の『寝湯』に浸かりながら文庫本をのんびりと読む、という至福の時間は次回以降に持ち越しとしよう。 身支度を整えて家を出る。今日は大学時代の友人宅へ遊びに行くことになっている。一緒に行くのは同じ大学時代を過ごした後輩夫婦。生まれたばかりの赤ん坊を連れてくるので、こちらも楽しみだ。 それにしてもなんていい天気だろう。昨日の豪雪(と言うほどではなかったが、気分的に俺の中ではそうだったのだ)がウソのようではないか。春先の風はそれでも少しだけ冷たかったりするので、ちょっと薄着をしてしまったか、とジャケットのジッパーを胸元まで引き上げた。 待ち合わせの駅で後輩夫婦と合流。人見知りをしない、無垢な笑顔でこちらを伺う赤ん坊を抱いて、車の中から出てきた後輩はすっかり“お母さん”だった。なんか不思議な気分だ。こいつら後輩と出会ったのはもう十数年前にも遡るのか。まだ高校を出たばっかりの彼女と、俺と同じように少しだけ遠回りをして大学にやってきた彼との間に生まれた小さな命をこの手で“抱っこ”するなんて、想像してなかったぞ。 彼らの車で友人宅へ。思い切って一軒家を手に入れたんだ(ン十年のローンだけどな)、という話をちょっと前に聞いていて、今日はその新居へお邪魔する、というわけだ。その割にはすっかり手ぶらで出掛けてしまった俺は、本当に間抜けだった。 何ともない時間を過ごした。昔話をし、それぞれの夫婦の話をし、テレビを眺め、コーヒーを飲み、笑いあった。友人夫婦と後輩夫婦の幸せを垣間見たような気分で、実に心地よい。 なんて穏やかな時間だ。 仕事一筋に突っ走っているつもりは毛頭ないけれど、もっとこう、今日みたいな時間が大切だ。
(おっととと、もうすぐ9000アクセスだ。10000達成にはなんかやるかな)
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