深緑
壁に叩きつけた
グラスの破片を
拾い集めて
顔をあげると
窓の外は
深緑と澄んだ空
小さなことは
気にするなと
空は囁くけれど
いつまでも慣れぬ孤独よ
空は囁くけれど
愚か者
血に汚れた
その手で
神の名を
語るのか
その手が
平和をつくれると
本気で思うのか
愚かな指導者よ
あなたは
直接手を下さなければ
罪にはならないと
思っているのだろう
いや
己が神だとすら
思っているのかもしれない
怖いことだ
あなたとその仲間たちが
世界を支配することではなく
あなたとその仲間たちの
罪の重さを考えると
私は他人事ながら
震えてしまう
罪には罰が
彼方へ
憂鬱を
月にあずけて
麦畑に
足を踏み入れた
歩くたびに
麦の穂がユサユサと揺れて
乾いた大地の
渇いた僕ら