キョウノデキゴト - 2004年04月27日(火) 『きょうのできごと』を観た。先週のことだ。 8人の主要人物に関しては、それぞれの比重に大差なかったためか、 はたまた慣れない関西弁での演技を強いられたためかは分からないが、 率直な感想としては田中麗奈よりも伊藤歩や池脇千鶴の存在感の方が 大きかったように感じられる。(ちなみに池脇千鶴は大阪府出身) 伊藤歩はこの頃雰囲気が変わってきた。 15歳の鮮烈な記憶を思い出しながらも、良い成長を遂げていると思う。 全体の中では正道(柏原収史)が良かった。かわち(松尾敏伸)も。 全ては何気ない日常だけれども、欠片を切り取ることで時に劇的になり、 遠くない世界でつながっている。ほんわかしながらもどこか切なかった。 ここ数日の出来事も全て何気ない日常の一部だったはずなのだけれど、 もし夢なら醒めて欲しい、やり直せるなら戻りたい、切に願っている。 今日も電話が鳴った。 もう鳴ることはなくなった。 BGM : 「マーブル色の日」 / 矢井田 瞳 この世界で一番の 愛をあなたに注ぐ それは見たこともないような マーブル色の日 揺れるカーテンは黄色 さらう風なら緑 あなたが輝きを添える マーブル色の日 同じようなことで泣いて笑う だからぶつかる だから素敵 うまく行かない時こそ 手を繋いでみましょう 言葉なんて小さなことに思えるから ほら 綺麗なものはいらないのよ だって いつかは失う はかない世界 怪我したテーブルクロス マーブル色のキス 朝あなたが残したぬるい珈琲 この世界で一番で 何も変えたくないの I wanna C U - 2004年04月24日(土) 病院に着いたのは三時過ぎであった。 母親と妹と友人が控え室で待っていた。 待つことと語ること、この部屋での選択肢は二つしかなかった。 ましてや身内でもない自分が軽々しく面会できるはずもなかった。 予断を許さない状況であるから、それは覚悟の上だった。 一つだけ、できることを見つけた。 彼女のアパートに行って携帯を復旧させ、恋人に連絡を取ること。 たった三日で転院を二度繰り返したために遭難同然だったのだ。 アパートを知る友人と共にお茶の水から秦野へ向かった。 そして無事に恋人と連絡を取り、駅で落ち合う約束をした。 しかし、最後の審判はあまりにも突然で、無情に下された。 約束を取り付けた直後の電車内で受けた報せは、 生還へのわずかな望みを断ち切るものであった。 僕らの使命が一刻も早く恋人を連れ帰ることから、 彼に事態の急転を悟らせないことに変化した瞬間だった。 全てが間に合わなかった。 一連の出来事はそう形容せざるを得ない。 ここ数日のことに限らず、数年単位で後悔が湧いてくる。 耳障りな喧噪に憤慨して激昂したとしても、 あながちお門違いとは言えなくはない。 ただ、今は全ての感情を留める他なかった。 そんな思惑をよそに、彼女はまだ生きている。 傍らで僕らは再び目を開くことを祈っている。 容態の変化を告げる電話は幾度となく鳴り、 その都度、無力感に苛まれるが、 絶望にはまだ早い。 それだけを信じている。 あの声を待っている。 ICU - 2004年04月23日(金) 彼女に最後に会ったのは三年前だった。 バス停での邂逅。弾ける元気に変わりはなく、 嬉々として捲し立てる声は僕を幸せで包んだ。 「先輩。」 これから先もずっとそう呼ばれ続けるのだろう、 そう信じて疑うことはなかった。 それからは時折メールや電話のやりとりをしていた。 昨年の宮城県は立て続けにひどく揺れたから、 その度に安否を気遣うメールが届いたものだった。 どこで聞いたのか、誕生日のお祝いのメールを欠かすこともなかった。 それがどういうわけか今年に限って止んでいたことを、 今からすれば不思議に思うべきだったのだ。 不意に電話で起こされた。 「お姉ちゃんが危篤なんです。」 眠気は一瞬で吹き飛んだ。 しかし、要領を得なかったせいで、よく意味が飲み込めなかった。 ただ、唯一伝え聞いた病名と“東京の大学病院のICUにいる”、 その事実だけが事態が切迫していることを端的に示していた。 そして、逡巡する間もなく新幹線に乗った。 AM0:00まで - 2004年04月15日(木) うまくいかないこともありますが、 めげずにまだまだ生きてます。 むしろ、もうすぐ生まれます。 明日はこんな日です。 きょうのできごと - 2004年04月11日(日) 春の陽気に誘われるままに船岡へ。 車窓から見える桜並木が綺麗だから 電車で行こうと言われ駅で待ち合わせる。 船岡駅の外は露天と花見客で賑わっていた。 城址公園まで歩く。車の混雑模様からしても 選択の正しさが実感できた。 城址公園は本丸跡への傾斜が少し険しかったが 頂上から望んだ街並みは美しく、天気の良さも 手伝って爽快だった。下りはスロープカーに乗り、 桜のトンネルをくぐり抜けた。壮観であった。 船岡駅に戻って線路を越え、白石川堤に出る。 橋の上から見る桜並木は視界の深遠まで続き、 一目千本桜の別称に相応しい景色だった。 並木道の下を大河原駅まで歩いた。約3.5km。 幾度となく川沿いに降りたり、登ったりしながら アングルを変えてはカメラを構える。無力を知る。 ふと、呼び止められた。 振り向いた先にマキがいた。一目散に堤防を駆け下りて 軽い抱擁を交わす。普段の自然な挨拶のつもりだったが、 お互いの連れ合いの目を気にするべきだった。深く反省。 おそらくは昨秋以来の再会である。マホさんもいた。 二人をセットで見たのは初めてだったので安心した。 そう言えばやたらと人に会う日だった。並木道では サークルの後輩の意外な組み合わせとすれ違ったし、 駅ではまたもやダンサーのカップルと鉢合わせた。 趣向が合うのかもしれない。次の予定を伺おう。 大河原に着くころにはだいぶ日も傾いていた。 肌寒くも感じる一方で宴に興じる客の歌声が暖かく響いた。 名残を惜しみながら河川敷を後にして電車に乗り込む。 窓の向こうの桜並木をじっと見つめるうちに眠りに就いた。 BGM : 『Me & Mr.Johnson』 / Eric Clapton 【更新情報】セシル7点追加。
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