凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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皮膚科の待合室にて
診察を終えたらしい老婦人が、看護師さんから説明を受けていた。
「これが保湿で病院でしか販売してないものです。」
聞こえてくる会話から、どうやらお薬というか、化粧品の説明らしい。
ここの皮膚科は綺麗な女医さんで、美容関係にも力を入れているらしく、そういうカタログやサンプルも待合室においてある。
お肌トラブルの患者さん…かぁ…と思いながらもちょっと遠い目。
だって説明を受けているご婦人、どう見ても余裕で70代に見える。 「これはシワに効く化粧品で」とか「これはシミに効く」とか。
もしや看護師さんにあれこれセールスされて、気が弱いお婆さんは断れないでいるのかな…なんてちょっと思ったが、「じゃあ日焼け止めも塗った方がいいかしら?」と積極的に質問されている。
どっとはらい。
おしゃれに前向きなご婦人だった。 すごい。
私はあの年齢になった時、あそこまで美容に執着できるだろうか? もちろん、人目に触れる仕事をしてる人とかは、自分の外見のメンテナンスも仕事のうちだけど、あの年齢で人前に出る仕事をしているとは考えにくい。 純粋に、自分の飽くなき美への追求で通院していると考えるのが自然かと。
正直、80に手が届こうとしているか届いているか というお肌で、今更シワがちょっと薄くなってシミがちょっと薄くなったくらいでなんの意味があるのかと思うけど、私も若い人から見れば「今更おばさんがなにを無駄な事を」と思われるんだろう。 いくつになっても女は女なんだなぁと。
そういえはいつもきちんと化粧して香水までしておしゃれしてた80代のご婦人がいたなぁ。 「ダイエットに成功して2キロ痩せたの」なんて、嬉しそうに話して下さって。 華やかな服を着てとても可愛らしかった。
やっぱりいくつになっても女性らしさを忘れないって大事なんだなぁ。
そんな可愛い老婦人になりたいものだなぁと。 美容にお金をかける経済的余裕がある老後という問題も含めつつ、考えたのでした。
暁
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