皇帝の日記
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結婚式から一夜明け。
昨晩興奮してなかなか眠れなかったジャバ夫さんは、一人で「夜のヴィリニュスを歩いてみる!」と出て行ったものの、30分程で帰ってきた。 どうやら夜の街はまた別の顔を持っているらしく、売春の客引きや、ストリップの客引き、ぼったくりタクシーなどが横行していて、カップルやグループで歩くならともかく、男の一人歩きは危険との事。 じゃあ女の一人歩きも危険だろうな。
そして、日曜日は朝から早起きしてお出かけ。 隅々まで観光しちゃうよ。 ふんふん(鼻息。
国民のほとんどがカトリック教徒というこの街で、日曜日の朝と言えば、礼拝があるのだ。 街中にある教会の全てが、扉は開けつつも中は礼拝の真っ最中という状態。 しかし観光に教会は外せない。 というか、教会しか無いのだこの街。 というわけで、こっそりと入り口から中を覗き込む事に。 教会の建築は見事だけれど、規模は大きくはないので、入り口から全てが見えるくらいだ。 じろじろ。
複雑な歴史背景から、教会によってはロシア語やウクライナ語で説教している場合があるらしいが、残念ながらリトアニア語との違いがわからないので、どうなっているのかはわからなかった。 南に向かって歩いて行き、二軒のロシア正教会の教会を覗き込み、更に下って旧市庁舎へ。 旧市庁舎では、旅行者インフォメーションなどがあるのだよ。 でも、我らがそこへ向かった理由は只一つ。 「トイレかしてください!!」 だったのだが「ない」の一点張り。 ないわけないじゃないの! あなたは勤務中どこのトイレ使ってるのよ! キー!! と思ったが、並み居る観光客にトイレを貸していたら、別の勤務が必要になってきちゃうだろうからきっと一律貸してないんだろうな、と諦めてホテルに戻る。 お店も、店員が礼拝に行くから軒並み開いていないのだ。 ホテルまで早足で5分もかからないし。
あ、ちなみにリトアニアのトイレは、どこも綺麗でしたよ。 紙は流せないので、備え付けの籠に入れる大陸式でしたけど。 世界いけてないトイレ検定2級の僕に言わせれば、天国。
トイレを済ませて、憂いなく再出発。 旧市庁舎前の聖カジミエル教会を覗く。 皆さんが真剣にお祈り中。
更に南下して聖三位一体教会へ。 三位一体教会、入れ物は古くて大きくて立派だが、宗派があまりメジャーな所ではないらしく、信者さんの数が多くなく。 建物内部の修復作業も、途中までやったけど資金が無くなっちゃいました、という感じで禿げチョロ。 適当に昔あったドアを漆喰で塞いであったり(それも所々穴空き)、新しいドアを何となくはめてあったり(サイズが合ってなくて、上下が空いていたり)。 壁からはなんかの配電コードがベロンチョと飛び出ていて、あちこちに使い捨てられたっぽい梯子が落ちている。 中庭にある由緒正しそうな古い建物に、ペンキで「WC」と殴り書きしてあったり。 窓ガラスがバリバリ割れてたりした。 外壁のフレスコ画の剥落も激しい。 しかし、礼拝が終わって出てきたおじいさんが、門を出るまで何度も何度も教会に向かって十字を切りながらお辞儀していた。 彼の人生の中で起った激動の時代を思うと、きっとお祈りしたいことが一杯あるんだろうな、と思ったのであられけるよ。 皇帝は基本無神論だけど、宗教を否定はしないよ。
この辺で、ようやくチラホラとお店が開き出したので、琥珀屋さんに入って、義父の誕生日(忘れてた!)に琥珀の施された文房具セットを購入。 重たいので「すいませんがホテルに送ってください」とお願いすると、親切なおじさんが「そういうサービスはないんだけど、僕が退社するとき持ってってあげる。5時以降になっちゃうけど」と引き受けてくれた。 ありがとう。
それから、通りに面した窓一杯にウサギのぬいぐるみをぎっしりと詰め込んでいるお店に入ってみる。 特産品の麻布を利用して、服やぬいぐるみをコツコツ作っては売っているおばさんが居た。 だがこのおばさん、英語がたどたどしい。 なんとなーく言っている事を想像しながらのお買い物。 商品の価格は、中国製の大量生産品と変わらないのに、全てがおばさんの手作り。 おばさんのお店では、カードも使えない。 ユーロも取らないというので、リトアニアの通貨リタスでお支払い。 子供等にぬいぐるみ、ジャバ夫さんのシャツ、皇帝のワンピースを購入。 ジャバ夫さんのシャツのサイズがSだった(アメリカではXL)。 どんだけでかいんだ、リトアニア人。
それから聖霊教会へ。 宗派はロシア正教。 こちらは一転、ものすごい信者の数で、建物も装飾も綺麗に飾られていた。 そして、この辺から物乞いの人がちらほら。
聖テレサ教会を横目に見ながら、夜明けの門へ。 ここには有名なマリア様のイコンが飾られていて、信者さんがお願いごとを込めた銀製品が壁にびっしりくっついている。 ・・・ので有名なのだが、それは全て門の中に入って二階にあるのだ。 そして今日は日曜日なので、信者の皆さんがぎっしりみっちり詰まっていて、全く近付けない雰囲気。 いたし方無し。
門を出て、かつての城壁の外側を歩いてみる。 城壁の中は観光客が沢山居たが、外側はどうやら普通に居住している人達の生活の場。 買い出しの袋を手に提げたお婆ちゃん達が、お友達とテクテク歩いていたり、バスが沢山の人を乗せて走ったりしている。 古い城壁も所々残っていて、かつて地下道に竜が住んでいたとか言う円形城塞も見学(ただし今工事中)。 観光客がほとんどいなくて、壁のラクガキも質量共に増して来る。 あと、民家の壁に銃痕が沢山残っていて、怖い。 ソビエト時代は、街のあちこちにKGBが拷問して殺した人々の死骸を吊るしていたと言うから、恐ろしいはなしである。
テクテク歩いて北上。 街のどこに居ても、ホテルの向かい側にある聖ヨハネ教会の塔(ただし工事中で緑の網付き)が見えるので、迷子になる事はない。 やがて、街の東を流れるヴィリニャ川を渡って、ウジュピスという地区に入る。 ここでお昼休み。 ウジュピオ橋のすぐ横にあるウジュピオというレストランで、ビールを飲みつつサーモンやジャガイモやジャガイモやジャガイモなどを食べる。 美味しかったが、料理の出てくるのが遅い。
のんびりとしてから出てきて、ウジュピス地区をジロジロと眺めながら歩き、地元の人が建物の隙間からウロウロ出て来る所を見つけ、そこに入ってみる。 すると、階段のある小さな道というか隙間があり、そこから旧市街地の聖アンナ教会の裏に出れることが判明。 ほうほう。 ホテルのすぐ裏でもあるので、部屋に一度戻り、休憩。 ジャバ夫さんは、もう観光終了の気持ち満々のようだが、僕は違う。 もっと歩く。 日が沈むまで歩くよ。 ふんふん。
と、一人で出て行こうとしたら、やっぱり一緒に行く、と言ってジャバ夫さんも参戦。 ち、しかたがない。 文句言わずについて来な!
というわけで、ホテルから北へひょろっと行くと、大聖堂がある。 この大聖堂、同じ場所にキリスト教以前は雷の神様が奉られていたり、色んな時代を経て来たので、色んな物が置いてある。 地下には、王族やえらい人達の棺まで埋まっちゃってるので、見応え満点。 しかし、こういう歴史的な文化財には、普通厳重な警備とかされてません? ドイツのギャルが、棺の蓋をこじ開けようとして、キャッキャキャッキャしてましたけど? 良いの? 開いたら開いたでイヤじゃん。
外の鐘楼はレンガ造りの所を白の漆喰で塗り固めて補強しているのだが。 元のレンガっぷりはこうでしたよ、というのを示す為に、所々漆喰がカクカクくりぬいてあるのだ。 そのくりぬき様が、何故かことごとくテトリスのブロック型。 まさかこんな所にソビエトの影響が? とか勘ぐりながら写真を撮り、ふらふら〜っと前回見逃した工芸博物館へ。
ところがなんとしたことか。 日曜日は4時に閉まってしまうのであった。 というわけで、到着した時3時55分。 おおー。 学芸員のおばちゃん達が鍵を、今まさに閉めて出んとする所。 ああー。
でも、まだまだ私見たい所あるのよ。 ふん。 地図で見ると、ちょっと旧市街から離れているけれど聖ペテロ&パウロ教会というのに行きたいのだ。 テクテクと並木の下を歩き、歩道上にひからびたナメクジ達など自然を満喫。 周囲にはあんまりなんも無く。 会社が倒産したっぽい、空になった新しい建物とかがずらっと建っていたり。 そして、お花屋さんの角の向こうに教会がでーんとある。 旧市街内は規制があるのか、あまり見かけなかった物乞いさん達がこの教会の周辺に集結。 臭い。 臭いけど、教会内にはさすがに家無き人は入って来ないので、ほっと一息。 教会の外見は普通だけど、中はえらい事になっている。 30年かけて創られたと言うバロック式彫刻群が、びっしり。 このビッシリさ加減は、香港のタイガーバームガーデンに匹敵する。 リトアニアの教会では良く見かける聖バーバラ(サンタバーバラ)像を見つけて、写真を撮っておく。
さて、外に出るが、地球の北に位置するこの辺は、6月は中々夜にならない。 まだまだ太陽がカンカン照り。 ふーう。 やれやれだよ。 天気予報で滞在中ずっと雨だと思ってたから、日焼け止めを持って来なかったのだ。 真っ黒焦げの皇帝と、真っ赤っかのジャバ夫さん。 しかし、ここで更に皇帝は頑張ってしまった。 旅行とは苦行。 3つの十字架の丘に登り始めてしまった。
ちなみに、丘に登りはじめる道路脇に、ヴィリニャ川がどうやってできて、人々がどのようにこの川を利用してきたかを示すパネルが、誰に向けて?と思わせる向きで立っている。 どうやらヴィリニャ川は、600年以上前に人工的に造られたっぽいような事が書いてありましたよ。 たぶん。
3つの十字架の丘には、3つの十字架が建っている。 とても巨大な十字架で、なんども壊されては建て直されたりした歴史を背負っている。 壊された昔の十字架も野ざらしになっているので、この投げやり感はすごいと思った。 今建ってるのは、1989年の十字架。 ここからもホテルの前の塔が見える。 というか、旧市街には高い建物とかないし、土地も比較的平面なので、少し高い所からならすぐ一望できてしまうのだ。 パノラマを見る為だったら、別にここまで来なくても良いよ。
ピクニックに来ている家族が、イサムさんっぽい赤子を連れて歩いていて、ちょっと寂しくなったりした。
えっちらおっちらヤブ蚊に刺されながら下山して、ようやくホテルに。 いやあ、やれやれでした(誰のせいで。
皇帝

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