皇帝の日記
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2010年08月23日(月) ゆだだ

最近よく考え方が変わったりするので、こうして長らく同じところにダラダラ呟いてると、前言ってた事と違うよな、でも良いか、とかなってる。

さて、アジア圏から出て来ると、避けて通れぬのがユダヤ人のあれやこれや。
ヨーロッパにはもちろんユダヤ人社会が各地方に在って、なんとなーく長年共存しているのだが。
この新興国アメリカには、想像を遥かに超える数のユダヤ人が住んでいながら、また彼らがユダヤ教の伝統をしっかり保持しながら、日常では全く表立って来ないと言う不思議な事が起きてるのでありますのことよ。

そんなわけで、外国人として自ら移民となってこの国に住まう皇帝も、薄ら彼らの存在を感じながら、アメリカでは誰も深く語りたがらない、ぶっちゃけ部外者はあんま内部事情を知らない、というこのユダヤコミュニティーを薄々と観察していたのだった。
薄々。

なんで薄々としか存在を主張していないかというと、きっとこの国が非公式では在るけれど、一部猛烈なキリスト教国である事が原因なんじゃないかな。

よーく観察していると、彼らはよく家族で連れ立って日曜の礼拝に正装して出かけている。
男性は、小さな子もジャケットとベストと、ちょこんと頭に乗っける帽子、時折丸いシルクハットみたいなのに長いもみあげを生やしている大人。
女性は、長袖のブラウスに膝下丈のワンピースか、長袖の膝下丈のワンピース、時折同じシルエットのツーピース、ハイソックスに革靴。
建物にもダビデの星が掲げられているところが多い。
集会場か礼拝所なんだろうな、と思う。

政界、富裕層、なんらかの有力者におけるユダヤ人の占める率を考えると、不自然なくらいひっそりとしている。
キリスト教徒の皆さんは布教や勧誘が盛んだし(ユダヤ教の性質上、おいそれと勧誘ってことは無いでしょうが)、募金活動も派手で、チャリティーもガンガン押して来るのに。
「神は怒ってる!」って叫んでる人、大体キリスト教徒ですものね。
あんま主張してるユダヤ教徒の人は見かけない。

表立って来ないので、表立って攻撃される事も無いが、アメリカの中にはしっかりとユダヤ教徒に対する差別があるのであーる。
まあアメリカには沢山の差別があるので、例えばアジア人に対する差別とか、肉体労働者に対する差別とか、そういうゆる〜いステロタイプの偏見を、この無宗教・外人の主婦はヒシヒシ薄々感じるのである。
もちろん、あらゆる差別はいけない事ですから、教養人であればある程隠そうとするし、口に出したりはしないので、「これが差別の決定的瞬間!」みたいなのは無い。

ジャバ夫さんの職場にも、何人もイスラエルから来たユダヤ人がいたし、別に聞かれなきゃ答えないけど「あ、僕ユダヤ人だからクリスマスパーティーしない」とか言う人が結構居た。
そこで繰り広げられる、結構ギリギリだーと思うような話題や、テレビで揶揄されるユダヤジョークが出た時など。
ぼーっと観察して、まとめた結果、これがアメリカ人のユダヤ人差別だよな、というのを挙げてみる。

1)キリストを殺したのはユダヤ人だから許せない。
2)ユダヤ人はナチスによる虐殺の事を、いつまでも言ってて、暗くてヤダ。
3)ユダヤ人は、秘密の道具で何してるか、よくわからない。

まあ、1に関しては差別故にひねり出したへりくつっぽいところもあるんだけど、これを結構、学校の先生とかが平気で言っちゃうところがアメリカンクオリティーだな、と思う。

あと、2は、アメリカのスタートが移民の国なので、各移民がそれぞれ命からがらやってきて苦労している中、お前らだけ可哀想なわけじゃねー!という思いもあるんでしょうな。
初期にはスコットランド、アイルランド系の餓死寸前まで食い詰めてきた人々、アフリカから奴隷として連れて来られた人々、最近では旧ソビエトやアルメニアからの移民とか。
ぱっと聞くと「そんなご無体な・・・」と思う話だけど、声高に言わないけど歯を食いしばって頑張ってる人達が言うと、また違うんでしょう。
それから、そういう移民のほとんどが、大した援助も保護策も無くやって来たのに対して、ユダヤ人は政界からも金融界からも、巨大なバックアップが在るから、新大陸に来てもそれほど困らなかったと言うところがまた、「ふざけんなこらー!」と思わせるんじゃないでしょうか。
言いがかりだけど。

3になると、差別されたから、より自分たちだけのコミュニティーに引き蘢って、独自の文化を説明する場も設ける事をせず、ひっそりと宗教儀式をしている為に、結果「よくわからなくて、怖い集団」となってしまった模様。
頻繁に、テレビのコメディー番組とかでこのネタが使われている。
(よくわからない道具が部屋にあって「何これ?」「ルームメイトがユダヤ人なのさ。はっはっは」みたいなアメリカンジョーク・・・)
なんでロウソクの台の先が分かれまくってんの?とか、なんで指をナイフで切ったり血を集めたりすんの?とか、なんでその帽子かぶるの?とか。
それ言ったら、仏教の方がよっぽどわけわかんなくて、ヤバそうな武器っぽいもの一杯使ってるけど。

これが、ヨーロッパに行くとちょっと事情が違って。
共存している時間があまりに長く、そこに居る事が普通な為か、アメリカ程閉ざされた社会ではないと思う。
シナゴーグ(礼拝所)の入り口も開けっ放しだったりするし。
ジャバ夫さんは、この度のリトアニア・チェコ、ユダヤ人の歴史を眺める旅のおかげさまで、すっかり「ユダヤ教=よくわかんないもの、あんまり知ってはいけないもの」という見方を変える事ができたようです。

アメリカの差別は、全体像の掴めない未知のものに対する恐怖なんだろうな、と思うのですよ。

ところで、アメリカ人がユダヤ人を気に食わない理由の中に、「政治に介入してる」というのがあるけれど、古今東西どの宗教に関わらず、政治に口出しするのはよろしくないと思うので、この点はそうだと思うよ。

そんなわけで、薄ら観察記録でした。


皇帝