雑感
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ピアニスト、グレン・グールドの伝記のようなもの「孤独のアリア」 を読み返す。(ミシェル・シュネーデル著)グールドほど孤独を愛した 演奏家はいないんじゃないかという気がする。演奏会を憎み、録音を ひたすら好んだ天才だった。 グールドは32歳で演奏活動を止めて、自分の孤独の領土を拡大 させていったという。死ぬまで録音と執筆に明け暮れた。 1982年9月27日グールドは脳内出血でこの世を去った。 その2日前に、「ゴルトベルク変奏曲」の再録音版が発売された ばかりだった。 葬儀には、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の冒頭のアリアが 流されたという。
一人の時間を過ごすことが多いので、自分は一人でいることが 好きかどうか自問する。たぶん好きだ。一人でいる状態は、とりあえず 自分が選択して、なにか行動している、考え事をしている自分に とっての必要な時間で、そこには寂しさが介在することはない。 ただ、そういう時間は一日のうちでも数時間あればいいと思っている。
孤独というのは、周りに人がいても寂しく感じることだと解釈して いる。たとえば愛する人が隣にいたとしても、こちらを向いてくれ ないと感じたら、それは孤独であり、寂しさという感情が沸いてくる ように思う。だから、24時間一緒にいても、ずっと孤独なのだと いうことも在り得る。
幸いというべきか、私はグールドのような筋金入りの孤独を愛する 人間にはなれそうにない。
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