雑感
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2001年08月25日(土) ひとりと孤独

ピアニスト、グレン・グールドの伝記のようなもの「孤独のアリア」
を読み返す。(ミシェル・シュネーデル著)グールドほど孤独を愛した
演奏家はいないんじゃないかという気がする。演奏会を憎み、録音を
ひたすら好んだ天才だった。
グールドは32歳で演奏活動を止めて、自分の孤独の領土を拡大
させていったという。死ぬまで録音と執筆に明け暮れた。
1982年9月27日グールドは脳内出血でこの世を去った。
その2日前に、「ゴルトベルク変奏曲」の再録音版が発売された
ばかりだった。
葬儀には、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の冒頭のアリアが
流されたという。

一人の時間を過ごすことが多いので、自分は一人でいることが
好きかどうか自問する。たぶん好きだ。一人でいる状態は、とりあえず
自分が選択して、なにか行動している、考え事をしている自分に
とっての必要な時間で、そこには寂しさが介在することはない。
ただ、そういう時間は一日のうちでも数時間あればいいと思っている。

孤独というのは、周りに人がいても寂しく感じることだと解釈して
いる。たとえば愛する人が隣にいたとしても、こちらを向いてくれ
ないと感じたら、それは孤独であり、寂しさという感情が沸いてくる
ように思う。だから、24時間一緒にいても、ずっと孤独なのだと
いうことも在り得る。

幸いというべきか、私はグールドのような筋金入りの孤独を愛する
人間にはなれそうにない。


Aqu |MAIL

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