雑感
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2001年10月10日(水) |
「私のヨーロッパ」より |
犬養道子の「私のヨーロッパ」を読み返している。
十数年前に買った本が未だに手元を離れずに残っているのは珍しい。 思えば私が欧州に来たのも著者の影響が強いのかもしれない。 著者は滞欧6年で、欧州の共同体の本質、キリスト教精神から くる欧州人の本質を真正面から捉えているなあと今更ながら感心する。 私はドイツ・オーストリアに住んで十数年になろうかというのに 未だにお客さんのアウスレンダー(外人)である。もともとの人間の 器というのか、人間性から出る品格や教養というものが違うのだから しかたないが。
「週末」の項を読み返して、私はアフターファイブや週末の過ごし方の 達人になりつつあるなあと、これだけは自慢できそうだ。著者は土曜日の 午後14時を境目に、日曜の夜までは「自分自身に立ちかえる時間」で、 あると言う。 時代は移ってもオーストリアの週末、カソリックを国教とした週末は 今でもそうだと思う。夏場などは外でぼんやり本を読んだり散歩して おればいいけれど、冬は誰も何も楽しみを提供してくれない。 自分で自分をあやす時間がやって来る。
初めてドイツで過ごした冬は学生寮に一人住まいだったので、ほんとに 寂しかった。外に出ようにもマイナス16度では風邪を引いてしまう。 でも、欧州の冬を幾度となく過ごしていくと、少しづつ自分と向き合う ことができて、どう過ごせばよいか会得できたような気がする。
今なら、午前中は寒くても走ることができるし、プールで泳いでもいい。 オペラやクラシックのビデオやCDを聴く。部屋に自然光が入る間は絵筆 を動かすこともできるし、小説を読み短歌を創作することもできる。
でも何よりのプレゼントはインターネットの世界を楽しむことができる ことかもしれない。
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