雑感
DiaryINDEXpastwill


2001年10月14日(日) 国鉄なかなかやるね

ザルツブルクからのウィーンへ鉄道に乗った。国鉄はもう何年も
乗っていないので、久しぶりの列車の旅は楽しかった。
国鉄の駅はとても静かだ。列車が駅に入ってくるときも、出ていく
ときも何もアナウンスがなく、お客が乗ったら、何も言わずにそっと
出発する。車内でのアナウンスも、主要駅に到着するさいの乗り換えの
案内だけでドアにご注意、ドアが閉まりますなどのアナウンスもない。

日頃ウィーン地下鉄や路面電車で停まるたびにアナウンスがあるのに
辟易していたので、鉄道の寡黙さが心地よい。それでいて、お客の側
で困ることがないよう時刻表も列車の電光掲示板もちゃんと人目に
つくところにある。

ウィーンへの帰途、車椅子の少年が列車に乗っているのを見かけた。
目の不自由な男性も乗っていた。降りるとき大変だろうなと思って
あたりを見まわすと付き添いのひともいない一人旅のよう。
列車は乗降口が高いので、車椅子はリフトがないと下ろせない。
ウィーン駅に到着したとき、係員が車椅子を下ろす用意をしていた。
目の不自由な男性も、駅員がアシストして改札まで連れていった。
身体にハンディのある人は、付き添いがないと旅行できないと思って
いたけれど、国鉄に関してはちゃんと一人で旅行できるよう体制が
整っているのを目の当たりにみた。以前、車椅子で旅行する人のために
切符と乗降のアシストを手配したことがあったが、電話で応対した係員
が懇切丁寧に、車椅子がコンパートメントを通れるかどうか実際
計ってくれたことに大いに感銘を受けたことがあった。

身体の不自由な人でも他人の親切をあてにせず、一人で行動できるよう
なシステムを作ることがが本当のバリアフリーというのだろう。
漠然と知っていたけど実際に目の当たりにして「国鉄なかなかやるのう」
と感心し、いい旅のおみやげになった。


Aqu |MAIL

My追加