雑感
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2001年11月23日(金) きついをしっかりに置きかえる

ウィーンに着いたばかりの駐在員が当地の日本人女性のきつさに
びっくりしたと言った。日本語でぽんぽんものを言うのでたじろいで
しまったそうな。

外国に長く住むと、日本人的な気配りや物言いの丁寧さが失われて
いくのもわかるきがする。自己主張をしていかないと、損ばかりするし、
第一に仕事が前に進まない。この土地で暮らし仕事をしていると、物事
を確認しながら進めていかないと、しっぺ返しをくらうことがある。
支払のさいには必ず領収書をもらい、支払った相手の名前を聞く、予約
のさいには書面で確認を取るというのは基本の基。

相手は間違えたとしても絶対に謝らないのが普通なので、いざという時
のための証拠を取っておかないと後で苦労する。
レジの打ち間違いはしょっちゅうあるし、銀行の両替でも1桁間違え
られたことがある。電話での予約が入っていなかったり、いろんな
経験をした。相手の間違いに対してはっきりクレームをつけないとその
ままになってしまう。

滞在許可の更新をするときに、役所の担当官に言われた。
「あなたは3年前から無期限の滞在資格があったのです。でも、この
国では誰も、手取り足取り教えないから、自分でどんどんやっていか
ないと物事は前に進みませんよ。」至言である。それまで毎年
更新手続きのために右往左往していたから。

当地に住む日本人女性はこの国のシステムにずいぶん痛めつけられた
というか、鍛えられてきた。誰かが気にかけてくれるまで待っていて
は何も起こらないことを知っている。
「きつい」という否定的なことばを「しっかりしている」と理解
してくれる邦人が増えてくれると嬉しいのだが。


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