雑感
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2001年12月29日(土) 気持ちがずれる

長い間、一緒にいてお互いよくわかりあっているというのは錯覚のように
思うことがある。

風邪をひいて頭が働かないとき聴きたい音楽が、相手がベートーベンの
ピアノ協奏曲だったりすると、あらまあどうしてなどと思うことがある。
聴いていて、堅苦しい。一流レストランでフォークとナイフの
順番を考えながら食事しているときのように。
しんどいときは、ショパンやモーツァルトの小品の方が耳に優しいと
思うけど、人それぞれ感じ方があるのだろう。

一人生活に慣れて、日頃好き勝手なことをしていると、自分が世界標準
になってしまうようで、たまに誰かと生活のリズムを合わせるとなると
ぎくしゃくしてしまう。相手にしてほしいこと、してほしくないことを
きっちり伝えていかないと、互いの気持ちがずれていって、しまいには
よく知っている人がまったくの異星人に見えてくるから、不思議。

夫婦でも、親子でも家族間には共通の認識というものが形成されていく
けれど、時にずれることがあるので、たまにはわかりきったことでも
確認していった方が、後々のクレパスのようなずれに戸惑うことが
少なくなると思う。

ピアノ協奏曲5番が、威勢のいい音を噴出している。私はヘッドフォンで
バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を聴く。家族とはなかなかむずかしい
もの。


Aqu |MAIL

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