雑感
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長い間、一緒にいてお互いよくわかりあっているというのは錯覚のように 思うことがある。
風邪をひいて頭が働かないとき聴きたい音楽が、相手がベートーベンの ピアノ協奏曲だったりすると、あらまあどうしてなどと思うことがある。 聴いていて、堅苦しい。一流レストランでフォークとナイフの 順番を考えながら食事しているときのように。 しんどいときは、ショパンやモーツァルトの小品の方が耳に優しいと 思うけど、人それぞれ感じ方があるのだろう。
一人生活に慣れて、日頃好き勝手なことをしていると、自分が世界標準 になってしまうようで、たまに誰かと生活のリズムを合わせるとなると ぎくしゃくしてしまう。相手にしてほしいこと、してほしくないことを きっちり伝えていかないと、互いの気持ちがずれていって、しまいには よく知っている人がまったくの異星人に見えてくるから、不思議。
夫婦でも、親子でも家族間には共通の認識というものが形成されていく けれど、時にずれることがあるので、たまにはわかりきったことでも 確認していった方が、後々のクレパスのようなずれに戸惑うことが 少なくなると思う。
ピアノ協奏曲5番が、威勢のいい音を噴出している。私はヘッドフォンで バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を聴く。家族とはなかなかむずかしい もの。
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