雑感
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| 2001年12月31日(月) |
マイナス3度の舞踏会 |
午前中はリングで、毎年恒例の大晦日ランで3千人くらいの ランナーたちが走り納めをする。オペラ座から、議事堂、市庁舎、大学 をまわって、各省庁の建物を常に左手に見ながら今年の最後を走ってきた。
ゴール後、ケルントナー通りへ出てみると、プンシュやシャンペンを売る 屋台が商売を始めていた。人出が多そう。これから夕方、深夜に向かって 人が爆竹とシャンパンの大瓶を片手に旧市街へ繰り出していく。
クリスマスの静寂とは裏腹に大晦日はできるだけ大人数で楽しく新年 を迎えることをよしとしているので、カウントダウンが始まると 賑やかである。このときは、見知らぬ人に抱きつかれ、いきなりキス されたり、シャンパンが頭上に降ってきて、何とも手荒い新年の儀式 がある。 1区のあちこちでは、ワルツが鳴り響き、寒空の中、ステップを 踏みながら新年を迎える人が多い。ドレスやタキシードの代わりに オーバーとマフラーで身体を包みカップルが踊る。シュトラウスのワルツ が間断なく流れ、寒さしのぎにアルコールを飲んで踊り明かす。
1815年以来、「会議は踊る」と揶揄された国だけに、ワルツのメロディ が流れてくると人は自然とステップを踏む。このときばかりは、不況も 失業不安も何もかも忘れ、音楽と一体となって踊る。 大晦日のウィーンは踊っていた。
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