雑感
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2002年01月05日(土) 戦国武将と現代職業人の生き方

山岡壮八の「織田信長」読了。
日本人の会社経営者はたぶん織田信長や豊臣秀吉、徳川家康を筆頭
とする戦国武将のファンだと思う。会社社長の御用達雑誌と呼ばれる
「プレジデント」の新聞広告には年に何度か戦国大名の特集を組むと
部数が伸びるときいたことがある。

会社のトップは型破りな武将たちのキャラクターもさることながら、
家来が家族ともども一丸となって仕える武将に一生を託し、寝食を忘れる
ほどに主人のために仕事をしたところに惹かれ、人材活用の参考になると
思っているからかもしれない。

戦国大名の生き方というのは、過程の中で見ていけばこれほど波乱万丈
に富んだ生き方はないくらいおもしろいけれど、結果を見れば、偉大な
武将もやっぱり人間だなと思わせる。信長は、側近の明智光秀に討たれて
自害したが、最後の詰めの甘さから起こったことだから、経営者の究極の
手本とはならないだろう。秀吉も天下統一はするも、最後は幼い後継ぎの
行く末を心配しながら病死という結末。家康は唯一の成功者であるけれど、
一個人としては、天下を取った後は退屈な人生だったように思う。

昨日、新聞で失業率が5.5%まで跳ね上ったとあった。国を代表する
企業が数千人、一万人単位で人員整理をする報道は最近は聞いても驚か
ない。早期退職推奨に応じる人が増えていると聞く。自分の今後の生き方
を社外に求める人が増えているからだろう。社員はやりがいのある、責任
を伴う仕事に熱中することで他の生き方や家族との生活を犠牲にしてきた
けれど、会社はやりがいのある仕事も安定した給料も定年まで保障でき
なくなった。
戦国的職業観から離れて、一個人としての生き方働き方を考えることは
楽ではないけれど大切なことだと思う。
いてもいなくても、さして困らない仕事をずっとしているので、日本と
この国での職業観などを比較する時間が多い昨今である。


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