雑感
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| 2002年01月08日(火) |
中東欧におけるドイツ語の地位 |
日経にワールドカップで必要なボランティア通訳、特にクロアチア語、 トルコ語の人材が皆無に等しくて困っているという記事があった。 大学や大使館経由で、つてをあたってもらっているという。 こういう場合は、双方でドイツ語の有能な通訳者を探せば問題は解決 する。 日本人でドイツ語ができる人は何万人といるだろうし、クロアチア人、 トルコ人でドイツ語のできる人材にはことかかないから。
中欧におけるドイツ語の地位は英語と肩を並べているといっても 言いすぎではないだろう。英語は世界標準語であるけれど、大陸で母国語 としている国はない。でもドイツ語は、ドイツ、スイスの半分、 オーストリアと3カ国で通じる。
さらにドイツ、オーストリア、スイスには旧ユーゴスラビアやトルコ からの出稼ぎで住みついてしまった人が数百万人はいるので、ドイツ語 は第二母国語といってもさしつかえないくらい。クロアチア出身の人間 であれば、ドイツ語かイタリア語はまず流暢に話す。
ドイツ語が中欧で重要な位置を占めているのは、第一に、歴史的に オーストリアのハプスブルク帝国領が広大であったことと、ナチスの侵攻 も理由にあげていいと思う。第二に経済的な理由で、20世紀後半に ドイツは経済大国になり、多くの移民を受け入れたため。 第三に、ドイツ人は世界一旅行の好きな人たちであるから、欧州において は彼らの行くところ、すべてドイツ語でこと足りるように観光システムが できあがっている。スペインやギリシャの島はドイツの植民地といって もいいくらいドイツ語がとびかっている。 ドイツ語というのは、経済格差のある国の出身者にとって、どうして もマスターしないといけない言葉になってしまった。
日本では、英語や他国語を学ぶのは文化教養のためという人が多い ように見うけられるので、もう少し経済的な理由のために勉強したほうが 身につくのではと思う。そうすれば、英語一辺倒でなしに、需要があり、 供給の少ない外国語にも注目する人が増えるのではないかしら。
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