雑感
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2002年01月13日(日) 成人式と兵役

荒れる式典のニュースを聞くたびに国や自治体主催の成人式はもう
やめたらよいのにと思う。新成人の晴れ着を扱う関連業界は困るけど
法律で20歳になれば、いやでも成人とみなされるのだから、警官隊の
監視をつけてまでやる必要はないだろう。

先日、友人の息子さんが日本語に訳してほしいと1枚のペーパーを
持ってきた。彼はいま17歳。まもなく、国の義務として兵役か市民の
ための奉仕を選ばなければならない。内容は Gedenkdienstについて。
これは、オーストリアがナチスの片棒をかついだ苦い記録、ホロコースト
について、オーストリアの国と国民の責任を世界に知らしめるために設立
され、世界中のホロコースト記念館で、史実のまとめをし、啓蒙していく
活動で、兵役にとって代わる奉仕活動と書かれてあった。上手く訳せない
けど、「追悼奉仕」とあててみた。

オーストリアは18歳から、8ヶ月の兵役か、12ヶ月の市民サービス
(福祉施設で勤務、主に患者の世話など)、それと追悼奉仕(外国の
ホロコースト記念施設で勤務)を選択しなければならない。追悼奉仕の
方はたぶん若干名募集のよう。この国の若者たちは、成人式のように
みんなで集まって、祝うこともないけれど、上にあげた国民の義務を
果たしたとき、自分は成人になったと感じるのだろうか。

ソウルにいる若い友達は、ようやく大学入試に合格した。1学期か2学期
通えば、彼も入隊が待っている。
友人の息子さんも、ソウルの若者も、入隊なんてまっぴらだと思っている。
軍隊のない日本の若者と何ら変わるところはない。
日本は幸いにして兵役がないので、若い人達は学業を中断することなく
好きなことに打ち込める。

成人式があっても、大人になりきれない若者、兵役につくのが嫌だけど
どうにもできない現実に直面している若い人、世界はさまざまだなと
考えさせられた日だった。


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