雑感
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荒れる式典のニュースを聞くたびに国や自治体主催の成人式はもう やめたらよいのにと思う。新成人の晴れ着を扱う関連業界は困るけど 法律で20歳になれば、いやでも成人とみなされるのだから、警官隊の 監視をつけてまでやる必要はないだろう。
先日、友人の息子さんが日本語に訳してほしいと1枚のペーパーを 持ってきた。彼はいま17歳。まもなく、国の義務として兵役か市民の ための奉仕を選ばなければならない。内容は Gedenkdienstについて。 これは、オーストリアがナチスの片棒をかついだ苦い記録、ホロコースト について、オーストリアの国と国民の責任を世界に知らしめるために設立 され、世界中のホロコースト記念館で、史実のまとめをし、啓蒙していく 活動で、兵役にとって代わる奉仕活動と書かれてあった。上手く訳せない けど、「追悼奉仕」とあててみた。
オーストリアは18歳から、8ヶ月の兵役か、12ヶ月の市民サービス (福祉施設で勤務、主に患者の世話など)、それと追悼奉仕(外国の ホロコースト記念施設で勤務)を選択しなければならない。追悼奉仕の 方はたぶん若干名募集のよう。この国の若者たちは、成人式のように みんなで集まって、祝うこともないけれど、上にあげた国民の義務を 果たしたとき、自分は成人になったと感じるのだろうか。
ソウルにいる若い友達は、ようやく大学入試に合格した。1学期か2学期 通えば、彼も入隊が待っている。 友人の息子さんも、ソウルの若者も、入隊なんてまっぴらだと思っている。 軍隊のない日本の若者と何ら変わるところはない。 日本は幸いにして兵役がないので、若い人達は学業を中断することなく 好きなことに打ち込める。
成人式があっても、大人になりきれない若者、兵役につくのが嫌だけど どうにもできない現実に直面している若い人、世界はさまざまだなと 考えさせられた日だった。
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