雑感
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自分では反射神経は鋭いと思っていたけれど、そうでもなさそう。 ユーロ硬貨は、1,2,5セントと10,20,50セントは大きさは 違うけれど、色が同じなので、支払いのさい戸惑ってしまうみたい。 私は形状ではなくて、色でまず対象を認識するタイプなのだろう。
村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に主人公が 左右のポケットに、硬貨を入れて、暇があれば同時に計算する場面が あった。これができれば、たぶん外国語の同時認識ができると思う。 耳で外国語を聞いて少し遅れて、母国語に変換することだってできるはず。 幸か不幸か、こんな芸当は私にはできない。 こういうことができる人はすごいけれど、頭の疲れ方がひどくなるかも しれない。
他の欧州言語も似たようなものだと思うけれど、ドイツ語を話すのは 障害物競争をするのに似ている。英語では助動詞の次は動詞を置くが、 ドイツ語は枠を作るので、動詞は文の最後に持ってくる。過去の出来事を 話すときは、現在完了形を使うので、助動詞はhabenか seinを選び取り、 瞬時に変化させなければならない。
文章を頭の中でこしらえてから、話すのでは間に合わないので、この 助動詞の選び方をしょっちゅう間違える。 さらに、分離動詞というものがあって、文体によっては分離させて、 枠構造を作るか、間にzu(英語のto)を入れる必要がある。
さらに、豊富な前置詞を定冠詞や不定冠詞とくっつけて、形容詞を てんこもりにして変化させながら、話すので、たいていどっかで つっかかる。 これは、なかなかむつかしい。ドイツ語を母国語としている人はどうやって 文章を作っているのか不思議でしかたない。アルペン競技の実況 中継では、瞬時に枠のある文章になっているのはいつ聞いても見事だと 思う。
人間には肉体的な反射神経だけでなく、脳にも反射神経が必要なのだと あらためて感じた。
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