雑感
DiaryINDEXpastwill


2002年01月19日(土) 逆説的なことば

例えば、北ドイツのテレビドラマ。
二人の人間の会話内容が険悪になり最後にどちらかが、"Guten Tag"
「グーテンターク!」というきつく発すれば、これは、こんにちは!
などと言う意味には絶対にならない。
さっさと帰ってちょうだい!くらいのニュアンスに近い。
決り文句の美辞麗句なら、"Schoenen Tag noch!"「まだまだ、よい一日を
お過ごしくださいね」と言う。

日本語も美辞麗句の宝庫だと思う。「是非、遊びに来て下さいね。」と
言われて、真に受けて訪問などしたら、びっくりされるだろう。
外国暮らしが長くなってくるにつれ、「ほんとに、ほんとに来てね!」って
2回くらい念を押されないとほんとに訪ねていいかどうか判断がつかなく
なった。

「急いでいるので・・」「疲れているので・・」という表現も、何かに
対して拒絶しているのだから、提案か、お願いをした側は、おとなしく
引き下がるしかない。こういう言葉の信号をうっかり見過ごすと、はっき
りとした拒絶を聞くことになり、痛い思いをする。

日本語の「ありがとう」の言葉も、状況によっては拒絶を表わす言葉かな
と思ったことがあった。
たとえばデートで、これから進展があるのかどうかはっきりしないとき、
相手から「今日はありがとう。とても楽しかった。」の後が続かなければ、
これは脈なしと見てもいいかも。現代人は忙しいのだから、次に会う
約束をしなければ、その時点であきらめた方がいい。
その恋は、閉店のシャッターを一方的に閉じられたと思ってさしつかえ
ないと思う。これは、自分の経験で、ありがとうと逆説的に言ったことも、
言われたこともあった。

素敵なことばなのに、時には刺のように、ずきずきと痛むことがある。
こういうときは、ちょっぴり心が弱っているのだろう。暖かいココアや
音楽や詩で、治療しないといけない・・・



Aqu |MAIL

My追加