雑感
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いつもと違う時間に外に出て、2年前から疎遠になっていた彼女と 道でばったり出くわした。10分の1秒の間、会釈だけで、通りすぎ ようかどうしようか、迷った瞬間「元気?」って声をかけた。 彼女も「うん、元気」と返事があったが、そこから、「今どうして いるの?」と口から出かかった瞬間、「じゃあ、急いでいるので・・」 と言われてしまった。「じゃあ、またね。」と言い返したが、連絡先も 知らないのだから、この次の「また」は永遠にやってこないだろう。 次回、見かけても、お互いが引いてしまうだろうなという気がする。
10年も友達付合いして、こんな終わり方になるのは非は私の方にある のだろう。困っているとき手を貸すことができなかったから。 この街で最初で最後の友達と呼べるような人だった。
この「さよなら、また会おうね」という言葉を今までに何回言って きたことか。または2度とやってこないのを自分は知っている。それでも 1%くらい可能性があるかなといちるの望みをかけて言ってるのだろうか。
ここ2ヶ月、業務上以外で日本語をしゃべったことがない。営業日本語 はちゃんと頭にインプットされているけれど、いざ個人に立ち返って 相手に通じるような日本語が話せるかどうか不安になる。友達という存在が 欠落しているために、自分のことばで、意図することをちゃんと語れない ような気がする。 物語の世界にあこがれるのは、こんな事情も影響しているのかしら。
彼女や今までに出会った人たちとは、自分は逆方向の電車に乗っていた のだなと思う。一瞬、すれ違いはするけれど、2度と交差することは ない。こんなことを考えながら、決して振りかえらない彼女の後ろ姿を 見送った。
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