雑感
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2002年02月07日(木) 舞踏会とデモ行進

毎年、オペラ座舞踏会のある日は、近づかないようにしているのに、
今日は、スタジオに行くので、うっかりカールスプラッツまで来て
しまった。
周囲は、警官がうようよしている。地下道は、日頃、麻薬常習者や
ホームレスの溜まり場になっているが、今日はていよく追い出された
みたい。

オペラ座舞踏会は伝統があり、各国のスーパーリッチが集まる贅沢な
夜会であるが、すこぶる評判が悪い。昔よき時代の、「会議は踊る」を
具現している。大多数の国民には関係のない行事だが、大統領から
閣僚、世界中の外交官が集い、スーパーリッチな人達がオペラ座を一夜の
魔法のお城に変えている。

ANAホテルの前に真っ白なキャでラックが待機していた。誰かお金持ちが
乗るのだろう。うろうろして、巻きこまれたら危険なので、あわてて戻って
きた。テレビでは、舞踏会の中継と、デモ行進の様子が交互に報道されて
いる。

二つの光景を見ていて、私はどちらにも含まれたくないなと思った。
生中継で、庶民の癇に障るのは、レポーターが桟敷席の貴族やスーパー
リッチの名前を挙げたり、インタビューのさいに、見られていることを
あきらかに意識している振る舞いかなと思う。デモに参加する人は、
スノッブの極みの舞踏会けしからんということなのだろう。

でも、この舞踏会がなければ、デモ参加者は不満をぶつけるところが
なくて気が抜けるのではないかしら。こんな風に舞踏会とデモは強い絆
で結ばれているらしい。

補足すると、舞踏会がけしからんということでは決してない。オーストリア人
はワルツが大すきなのだ。今宵デモに参加した人は、明日、仮面舞踏会に
行くことは十分ありうる。オーストリア人からワルツを取ると、気の抜けた
コーラみたいになると思う。

オペラ座舞踏会も国を上げてのビジネスと思えば、是非を問うことは
ないと思っている。



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