雑感
DiaryINDEX|past|will
| 2002年02月15日(金) |
アルペンスキーの女王たち |
オリンピックのアルペンスキーを見るのが楽しい。昨日は女子の 複合種目を見ていた。
オーストリアは屈指のアルペン王国で、国を上げて選手を育成している。 チーム力から言えば他の追随を許さないだろう。選手はそれだけ、 がっちり管理されているとも言える。
ペトラ・クローンベルガ−は、1990年から連続3回ワールドカップ 総合優勝し、世界選手権でもオリンピックでも金メダルを取った。 10年前は向かうところの敵なしの彼女の時代だった。その直後、電撃的 に引退した。いろんな理由が囁かれたが、結局はスキーに対して情熱が わかなくなったということが真相に近いかもしれない。23歳の引退は 誰もがもったいないと思ったものだ。
一方、同時期に活躍したアニタ・バハターは、ペトラが引退した翌年 ワールドカップ総合優勝をした。その後は、大活躍はしなかったが、 ワールドカップの大回転で手堅く何度か優勝し、チームのまとめ役 として、昨年まで現役を続けた。一昨年までは大回転の種目の成績 はまずまずで表彰台にも何度か立ったが、昨年は、出場しても旗門に 引っかかり、棄権せざるをえなかったレースを何度も見ることになった。
スポーツの世界でも他の分野でも、一度、その世界で頂点に立った人は 引き際が肝心と言われる。特に、日本では有終の美を飾って、一線を 退くことが理想とされる。
昨年、アニタはぼろぼろになって、引退発表をした。彼女はまだやれると 思っているなと言葉の端々から感じられたけど、ナショナルチームの中で の彼女の居場所はもうなくなっていたのだと思う。それだけ、チーム内で の競争が激しい。
アニタは引退どきを確かに逃してしまったが、彼女のスキーに対する 情熱は誰もが認めている。スキーをこよなく愛しているのが、彼女の スキー生活からうかがえた。
何事にも好きで取り組んでいる人を見ていると、自分までも嬉しく なる。その人を通じて、「まだ、やれるよ。」と声が聞こえてきそう。
|