雑感
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1ヶ月ぶりに教室へ。 ここのところ、行く気がしなくて3回も休んだあと学期休みに突入して しまった。
パレットに色をおいて、絵筆をもつとしゃきっとするのに、そこまで 持っていくのに苦労する。左手に座っているマダムは、スケートの最中 転倒してしばらく来れなかったという。絵が描きたくて、描きたくて、 今日、教室に自力で来たことを心底喜んでいた。今は、マッケの帽子屋 を模写している。
隣のクラウディアが、自分で油壷を作ったと見せてくれる。キャットフード の空き缶に取っ手をコテでつけたものだが、いい仕事がしてある。ワインの 木箱から絵の具箱に改造したり、職人さながらの腕前。エメラルドグリーン とターコイズブルーの光を制作中だった。
両隣の仲間の暖色と寒色の色の洪水にはさまれて、ようやく私もエンジン がかかったみたいだ。フランツ・マルクの小鹿を模写しているが、タッチ が上手くいかずに、3ヶ月くらいかかっている。 たっぷり1時間半ほど、絵筆を動かしたあとは、心地よい疲れがおりてきた。
そうだった。唯一の男性だったシュテファンが逝ってもう2年になる。 あれ以来、シュテファンの好きだったモネの風景画を模写する人は誰も いない。学期ごとに人が入れ替わり、彼のことを覚えている人はほんの 数人になってしまった。
何年も教室に通っているのに、いっこうに上達しない自分の腕前と 容赦なく過ぎていく時間を見つめているうちに、終了時間となった。
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