雑感
DiaryINDEXpastwill


2002年02月24日(日) バッハウ渓谷にて

どんよりした雲のはざまに真っ青な空が垣間見える日曜日。
歩くと吹き飛ばされそうな強風はWind(風)と呼ばずにOrkan
(オルカーン)が吹いたと言う。

Orkanと呼ぶにはちと大げさだったけど、全土で強風が吹いた日に
バッハウ渓谷までドライブに出かけた。クレムスから見たドナウ川は
濁流が川下へ猛スピードで流れている。川上りをしている蒸気船は
あわれ、青息吐息でゆっくりしか進めない。

クレムスからデュルンシュタインへ移動中に、去年のハーフマラソン
コースを逆行していることに気がついた。右手にブドウ畑、左手に
ドナウ。道はあくまでも平坦で狭いながらもきれいに舗装されている。

デュルンシュタインのトンネルを通過したとき、ここはスピッツから
確か12キロくらいだったなあと思い出した。フルマラソンのトップを
走るケニアランナーにこのあたりであっさり抜かれたのだっけ。
車はスピッツに向かう。ここは、ハーフマラソンのスタート地点。
自分の足で走ると、ずいぶん遠く感じたが車だとあっさり着いてしまう。

車をデュルンシュタインで停めて、私たちはドナウ川沿いのプロムナード
を歩いていく。
風が冷たくコートを突き抜けていくようで、思わず左手を彼のポケットに
ねじこんだ。

"Wir sind wie Bruder und Schwester, nicht wahr?"
"Ja, es kann sein." Er antwortete mit Laecheln.
"Willst Du mich heiraten?" fragte ich grinsend..
"Bruder darf nicht Schwesterchen heiraten." grinste er auch
und fuhr fort..
"Du bist ein einziger Mensch, dem ich volles Vertrauen schenken
kann."

今日が最後のドライブだったかもしれない。車を返却しなければならない
ので・・
ドナウの流れも川面を覆い被さるような雲もしっかり目に焼きつけた。
次に来るときはマラソンだろうなと心に言い聞かせた。

繋いだ手は、つかの間離れるかもしれないし、再び繋がることもある
だろう。ポケットに手をねじこんだまま、城砦へ登る石段をスキップ
して行った。


Aqu |MAIL

My追加