雑感
DiaryINDEXpastwill


2002年02月25日(月) 上がりの職業

オリンピックが終わると、メダルを取った選手たちの中で引退を決意した
人達は、そろそろ次の職業のことを考えるのだろう。

日本のオリンピック選手を見ていると、メダル取得(それに準ずる成績)
→スポーツタレントに転向、その後政治家に転身というパターンが出来
上がっているように見える。

中には、いきなり参議院比例代表区のリストの上のほうに名前が載って
めでたく政治家になる人もいる。

アルペン王国オーストリアのスキー選手も例外でなく、オリンピック
やワールドカップで活躍した後は、スポーツタレントやコメンテーター
リポーターを経て、知名度の高い人が最近政治家に転身する例があった。

ただ、おもしろいのは、オーストリアでは政治家の後にまだ次の職業が
ある。主に産業界への重職への転身になる。

2年前まで首相を務めていたクリマ氏は、某大手自動車メーカーの
アルゼンチンのトップになった。(今回の経済恐慌で貧乏くじをひいた
と憐憫されている)
目下、財政赤字0を目指している財務大臣は若干33歳のナイスマンだけ
ど、党内のごたごたに巻きこまれ辞任の噂が流れている。次の就職先が
ドイツ系の大手スーパーの経営トップだとか・・

元交通運輸大臣は大統領選挙で破れたあとは、国営企業のトップになった。
・・と枚挙にいとまがない。これは、政治家の平均年齢が若いからとも
いえるし、政治家が天下りするシステムが出来上がっているからとも
いえる。大臣は30代後半から任命されることが多いし、首相は50歳台
くらいだから。

オーストリアでは、政府の要職でさえ次の職業のステップになっている
感がある。日本だと、党内で安定した勢力になり、安定した選挙民がいれ
ば、死ぬまで政治家でいられるけれど、この国は世代交代が早い。

先ごろから、日本の某政治家の外務省への影響力の行使が問題になって
日本の恥とか声が聞こえるけれど、世界中こういうことはまかり通って
るのだと思う。アメリカのエンロン疑惑だってしかり、オーストリアでも
某州知事が、政府や国連の取り決めを無視してサダム・フセインに会いに
いって物議をかもしているし・・

マイナス3とマイナス4のどちらかを選べと(村上春樹の昔のエッセイに
出ていた)選挙民は問われているようで、なんだかなあと思う昨今である。


Aqu |MAIL

My追加