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2003年05月19日(月) 通り過ぎる者、立ち止まった者/flesh wound

友人との待ち合わせに遅れそうになり、
タクシーに乗った。


道はそれほど込んでいなかったのだけど、
乗っていた車が四台の車とぶつかりそうになった。
こちらの運転が悪かったのではなく、
いずれもむこうが車線を乗り越えて変な走り方をしていたせいだ。

運転手も黙って運転してはいたけれど、
「私があなたを脅したことにしていいから
今のやつシメてきていいですよ」と言ったら
喜んでやってきそうなほどイライラしているのがわかった。


こっちがよけるものだと思い込んでいる。

交通法規はよく知らないけど、
いつから車の運転っていうのは
他人に迷惑をかけていいことになったのだろう。

本当はこっちが誰かに衝突したがってたら
どうするつもりなんだろう?


歩道を、歩行者をけちらしながら進む自転車。
きみは、そこが歩く人のための道だって知ってるかい?
自分が急ぎたければ何をしたっていいんだね。

彼等はきっと自分が車上から人を見下ろせる間は、
車に乗っていない側の気持ちを
考える気はないのだろう。


歩く目線で見える花や草。
立ちどまってみてみると、
儚いながらも力強さを感じる。

だけど、自分の目的地のことしか頭にない人間の乗る車は
その花のために止まることはない。
彼らはその美しさを愛でることなく
踏み潰して引きずり、台無しにする。

黒い煙で汚したことを恥じることはない。
静かに生きていた小さな命を潰した罪悪感なんて、
もちろんあるはずもない。


みんな、自分さえよければいい。

そう感じるのは、ここが都会だからなのか。
それとも、人はもともとこうなのか?
もしそうなら、私や私より繊細な心をもった人が
人とわかりあうことで悩んでいる意味は何なのだろう。

不器用? 弱い? 神経質?
いつから自分勝手は正しいことになったのだろう?


昨日から感じていた絶望感がピークに達し、
運転手に「この料金の何倍払ったら
一緒に死んでくれますか?」と聞きたくなった。

しかし、彼の笑顔と
「お気をつけて。良い一日を」の言葉に我にかえった。

この先に、私を待っている人がいるのだ。


「ごめん。待った?」

「ちょっとだけね。」


通り過ぎないで、
待っててくれてありがとう。


自分勝手な言い訳や
一方的な攻撃だけして
通り過ぎる者たちはいらない。

今はただ、自分のために立ち止まってくれた
数少ない者たちのことだけを考えよう。







この場所を整理しておけば

後で役にたつだろうと思ってはじめた書類の整理。

気を抜いた瞬間に、右手の人差し指が白い紙で傷ついた。


よかれと思ってしたことが仇となる。

傷つけているのが、

自分の手だけならまだいいのだけど。


赤い傷口はまだ閉じない。

たぶん、数日はしみるだろう。



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