| 2025年12月20日(土) |
プリンスリーグ関西プレーオフ1回戦 芦屋学園−山辺 奈良クラブ−関大北陽 |
今の日程ではプレミアプレーオフの1週間後にプリンスリーグ関西プレーオフがある。関西6府県リーグからプリンスリーグ関西昇格をかけた大会。県リーグでどれだけ圧倒的に強くてもこの大会を勝たないとプリンスリーグには上がれない。不条理ではあるが、私の考えとしてはいつも将棋を例えに出している。つまり最弱のプロより強い人が新たにプロになれるわけではない。上を目指せる人がプロになれる。プリンスリーグも制度的にスムーズに昇格できるものではない。これはどうしようもないのだ。だが、それだけに十分な力を持ったチームに昇格してほしい。もちろん勢いに乗ってポンと昇格するチームもあるが。 さてプリンスプレーオフは同じピッチで3試合行い十分な間隔がある。返して言えば丸1日観戦するのは体力的にキツイ。あと勘違いしていて全日本U−15選手権もこの日同じ堺で開催と思っていた。したがって第2試合の前半を観てレストランで昼食取って中学生を観て第3試合という予定だった。プリンスプレーオフのピッチはバック側から観戦できるS8とS11。ラッキーというか関係者が考えてくれたんだな、と思った。
プリンスプレーオフに出場するのは各府県上位2チーム。レベルの高い京阪神もレベルの落ちる奈良和歌山も同じ数だ。S8の第2試合は兵庫の芦屋学園と奈良の山辺。芦屋学園はラグビーの大八木が理事長になってからスポーツ強化といういまどき分かり易い経営方針である。サッカー部グラウンドは芦屋浜にあり、たまに行くがゴール裏観戦しかできないので人工芝ながら残念な会場だ。サッカー部は全国経験がまだない。対する山辺はクラブチームみたいな運営の組織が県立高校サッカー部として活動している特殊なチーム。芦屋学園はカウンターが身上、山辺はポゼッションなので、双方注文相撲のような展開が当然予想される。
プリンスリーグ関西プレーオフ1回戦 芦屋学園高校−山辺高校 12月20日 12時45分 堺S8 人工芝 曇り
芦屋学園 二番 十三八番十一 十番六番 五番四番三番七番 二一
山辺 九番 十一八番五番七番 三番 十三三番四番十九 誰々
芦屋学園は左右非対称というか右がかりの4−2−3−1。センターフォワード2番は体格を買われて入っている感じ。ゴールキックでは左に開き競り勝ちたい。右の11番の突破に期待か。左センターバック4番はレフティ。ロングボールを蹴る。トップ下8番はキャプテンだが変化を付けられず。全体的に単調だが、カウンター狙いがはまっている。
山辺は4−1−4−1でビルドアップしたい。右サイドバック19番が偽サイドバックで中に絞りボランチをフォロー。あまり上がらず、スローインもしない。アンカー3番がキャプテンでレフティでゲームメイク。センターフォワード9番は芦屋学園センターバック陣と上背はあまり変わらないが、空中戦、地上戦とも勝てず。全体的にフィジカルコンタクトや芦屋学園の方が上手い。インテリオールには入るし、それなりにポゼッションは上手くいっているが、カウンターも浴びる。
前半終了間際、芦屋学園の左コーナーがファーにこぼれて蹴り込み1−0と先制。前半は1−0。
後半もポゼッションの山辺とカウンターの芦屋学園の様相変わらず、一進一退で進む。力量的には若干芦屋学園だと思ったが、試合展開は互角。しかし後半37分、山辺、左クロスのこぼれを拾った3番がペナ外で切り返して利き足の左足に持ち変えて丁寧にシュート、1−1に追いつく。その直後一気の攻めで芦屋学園のゴールに思えたが、ゴール取り消しで勝ち越しならず。そしてそのまま90分を過ぎてタイムアップ。引き分け。
次戦進出決定のためPK戦を行い、芦屋学園が勝ち上がった。
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さて、第3試合は奈良クラブ対関大北陽である。奈良クラブはここ二年クラブユース選手権予選プレーオフでセレッソとガンバ相手に1勝1分で1回全国に出るなど強さを見せ、奈良県1部リーグに昇格してから2連覇と圧倒的な強さを見せ、チームのレベルは明らかにプリンスリーグの水準にある。一般的に言ってフットボールの力はリーグ戦で測られる。しかし短期トーナメントを勝ち上がらないとプリンスリーグには昇格できない。対する関大北陽は全国制覇経験もある古豪だ。大阪府2部リーグ時代に全国高校総体に2回出場するなどカップ戦にめっぽう強い。力では奈良クラブより劣るだろうが、一戦必勝でこの試合に備えていろいろ仕込んでいることは容易に想像できた。
プリンスリーグ関西プレーオフ1回戦 奈良クラブ−関大北陽高校 12月20日 堺S8 15時45分 人工芝 曇り
奈良クラブ 十番九番十四 八番七番 六番 五番四番三番二番 一番
関大北陽 九番十番 七番八番六番十一 五番三番四番二番 一番
立ち上がり後方で回す奈良クラブに対し、関大北陽が前からプレッシャーをかける。これは強豪高体連のやり方だ。技術・精神力に劣る高校はこれでミスをしたり受け身になったりする。これに対し多くのクラブユースは真っ向から受けて立つことが多い。それだけの技術・精神力があるからだ。奈良クラブもそう。立ち上がりの勢いがなくなった関大北陽は徐々に引き始める。明らかにショートカウンター狙いである。これに対し奈良クラブは最終ラインで延々と回し続けるが一向にスイッチが入らない。センターバックとアンカーで回し続け、インテリオールには入らず加速しないし、センターフォワードにも当てないし、ウイングへの展開のパスはミスばかりで次々にタッチラインを割る。ヨハン・クライフは息子のジョルディ・クライフに対し「テクニック、フィジカルは問題ないが、実際のところ満員のスタンドからブーイングを浴びないと精神力は分からない」と言ったが、奈良クラブも精神力はかなり気になる。前進できない、その勇気がないようでは、センターバック間のパス交換が増えるばかりだ。そうしているうちに20分過ぎにミスから関大北陽がショートカウンター、左ハーフの7番のクロスに10番がヘッドで0−1と先制。しかしなおも奈良クラブは後方で回し続ける。関大北陽はボランチがアラートでインテリオールを離さないからパスが来なくても疲れているだろうが、とにかく奈良クラブは前進しない。フィジカルで優っているのだから多少寄せられても身体をぶつけて失わないのに、勇気がない。そうこうしているうちに関大北陽は左コーナーを必ずショートで繋ぐのだが、そのパターンで7番がミドルを叩き込み0−2と追加点。前半は0−2で終了。
関大北陽は立ち上がり10番がポストを見せていたが、まあ全体的に個人でクオリティを見せた選手はいなかった。奈良クラブは10番、たぶん�靆召�んのドリブルくらい、というか後方でパスするくらいではクオリティなど図りようがない。
ハーフタイム、交代を交えてベンチの指示もあって奈良クラブは前進できるようになる。インテリオールにも入るようになる。この時点で2点ビハインドでも力の差から言って奈良クラブの勝算は5割以上と思っていた。とはいえウイングが突破できず、べた引きの関大北陽を崩せない。関大北陽の美点はなんといっても勝負に辛いところだ。隙を見せない。奈良クラブのウイングもセンターフォワードも厳しくマークしカバーを意識して、個のクオリティを発揮させない。それでも押し込まれて体力を消耗していく。そして後半30分、奈良クラブのトップ昇格するセンターフォワード��関口智也にポストが入り反転して決める。1−2。個人能力差で決めた。しかし関大北陽は集中力を高めて守備が厳しい。90分ゲームでスタミナも厳しいだろうが隙あらば前からも追い、そして終了間際に奈良クラブの自陣ミスを奪って流し込み1−3。結局関大北陽が勝利した。
関大北陽がセットプレーとショートカウンター戦略を決めて快勝した。結果的には翌日も勝利してプリンスリーグに昇格した。このチームのレベルでプリンスリーグで戦えるかは分からないが、目の前のゲームに死力を尽くす古豪の存在はプリンスリーグにとっては大きい。奈良クラブはとにかく勇気がなかった。関大北陽に劣る点は精神力・勝負強さだけだったが、その差が大きかった。リーグ戦の昇格を決めるのがカップ戦というのは不条理だが、こればかりは仕方ない。十分な力を持ったチームになってから昇格してほしい。
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