ぶつぶつ日記
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2001年10月11日(木) |
「新しい世界」を見る |
子供の時から世界史や社会科が大好きで, それだけは勉強しなくてもめちゃくちゃ成績が良かった。 中学の担任の先生に、「理数系,せめて世界史の3分の2くらい 成績が取れれば,どこの高校でもいけるのにな〜(ため息)」 と言われる位、これだけは誰にも負けたくなかった。
PLOやイスラムのことも耳にしていたと思う。 新聞で読んでいたような気がする。 でもその時のイメージは PLO(パレスチナと言う言葉も)=テロリストの集まり, イスラム=男尊女卑の物騒な宗教 というようなものだったと思う。
そんな時期が長く続いて, 子供の頃から大好きだった古代エジプトを見たくてツアーでエジプトに行って, 私は「死んでしまって動きの(ほとんどない)古代の」エジプト、よりも みょうちきりんな元気のある、うるさい現代のエジプトに興味が湧いた。 現代エジプトだけを扱った本は少なかったので, イスラム、現代中東史,パレスチナ問題と、 関連する本は手当たり次第に読んだ。 クルアーンもかなり早い時期に全て読んでみた。 本を読んで100%理解できるわけではないけれど, 1つだけはっきり気がついたことがあった。 それは、私達が普段「世界」として意識しているものは, 本当は全世界のほんの一部分でしかなく, 物事には全く裏側からそれを見つめている人々が存在する, と言うことだった。
驚きだった。 パレスチナ人はもう、テロリストではなかった。 イスラムは単なる男尊女卑の物騒な宗教ではなく, アメリカや日本や欧米各国は様々な「犯罪」を犯して、 現在の繁栄をもぎ取っていた。
ブッシュ大統領の「十字軍発言」が波紋を呼んだが, ヨーロッパ各国は十字軍遠征がもたらした様々な知的恩恵を すっかり忘れているらしい。 アルコールも米も砂糖も、全てアラブから教わった (その証拠にヨーロッパ言語のこれらの言葉はほとんどアラビア語そのままだ)。 ルネッサンスの教科書となったギリシアの哲学や文学も、 アラビア語に訳されたものがなかったら、彼らには伝わらなかった。 新航路の「発見」は、単にアラブ人の船乗り達が以前から使っていた海路を ヨーロッパ人が初めて航行しただけに過ぎない。
「子供」や「学生」はいつも自分ひとりで大きくなり, 自分ひとりで新発見をしたと思いたがる。 ヨーロッパもアメリカも、煙たい「親」の存在など, 忘れてしまいたいのだろう。
しかし私にとって,イスラムや中東は紛れもない「師」である。 新しい世界を見せてくれるもの。
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