永久という名の瞬間
2004年04月17日(土) 現状を知ったところで

 みんな苦しんでいることを知って、私が実際救われるわけじゃない。
(みんなも苦しいんだから、私も我慢しなくちゃ)と、ますます思ってしまうだけ。

 高校の友達が、他の人に公の場で摂食障害や鬱のことをカミングアウトした。
 私にはだいぶ前から話してくれていたので、知っていたことだったけど。
 改めて、すごいな、と思った。私はとてもそんな勇気がない。
 彼女が調子を崩したのは大学に入ってからで、高校の仲間は実際の彼女の変貌を見ていない相手だから、言いやすかったのかもしれないけれど。それでも、すごい。
 彼女が蓋を開けてみれば、他にもいろいろ鬱に悩まされていた友達は多くて、それを知ることができただけでも、私は彼女に感謝する。

 だけど、皆が苦しんでいるという現状を知ったところで、なんになろう?
 この世には苦しんでいる人ばかりで、だから私は心が痛い。
 言葉が出ない。
 きっと下手な慰めを口にしても気持ち悪いし、下手な共感は共感している私自身がうざったらしく思ってしまう。傷を舐めあうのも、限度があるし。
 そぐわない明るい会話は白々しい。
 そうこう思っているうちに会話が消えていく。
 会話が消えると、身が持たないので接触自体が消えていく。

 こうして私達はとても似ているのに、どんどんどんどん離れていく。

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photo by 東雲