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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年09月22日(土)
彦根球場の風


 今日は約半年ぶりに滋賀県の高校野球を見に行った。場所は彦根球場。秋季大会2回戦が行われている。今回急遽決めた観戦なので、対戦カードも何もわからなかった。でもそれはそれでおもしろいだろう。小さな期待を胸にJRに乗り込んだ。
 JR彦根駅から徒歩15分程度で彦根球場に着く。なかなかきれいな球場だ。一塁側内野席後方には彦根城がくっきりと見える。プロ野球のオープン戦も行われたことがあるとか。今日観戦したのは二試合。

 第二試合 甲西 6−1 伊吹

 3−1の僅差が一つのエラーをきっかけにじわりじわりと甲西が差をつけていったという感じだ。伊吹のショートがエラーをしたのはツーアウトランナー二塁からだと記憶しているのだが、センターのバックアップが遅れた。そのため、二塁にいたランナーが一気にホームインしてしまったわけだが、このあとのショートの再三にわたるファインプレーを見ていたら、センターのカバーが遅れたわけがわかった。カバー遅れは誉められたものではないかもしれないが、それほどショートの選手の守備を信頼していたということにも成りうる。ショートの選手は送球もよかったし、見るたびになんであのときに限ってエラーしたのと歯痒い気持ちになる。打つ方では、エースでもある丹后選手がよかった。逆らわないで素直なバッティングが出来ていた(まさに「ボールにくらいつけ」という言葉が似合ような)。ただ、チャンスに彼とまともに勝負にいかなかった甲西バッテリーの冷静さも見事だった。
 甲西は内野手の守備の積極性が印象的だった。高くバウンドするゴロが多かったのだが、それは待たずに果敢に前に出てきて裁いていた。下手な野手なら間違いなく後逸だが、しっかりボールを捕らえているので、それもなかった。伊吹のショートがあの当たりをどう処理したかを見てみたかった。
(伊吹の応援では随所に阪神・和田選手のヒッティングマーチが使われていた。彼の引退決定となにか関係なるのだろうか)

 第三試合 草津東 11−1 湖南農業 (5回コールド)
 
 湖南農業にはおそらく他に数人の部員がいたように思ったのだが、実際背番号をつけて試合に臨んだのはちょうど9人だった。試合前湖南農業ナイン(本当の意味で「ナイン」)がノックを受けるフィールドに散ったが、やけに広く見えてしまったのが印象的だった。部員が少ない=弱いと決めつけるのはよろしくないが、フライ捕球で野手が次々落球するのを見て、「大丈夫?試合、出来る?」とか失礼ながら思ってしまった。
 試合はやはりワンサイドゲームだった。でも、2回にはクリーンナップの鮮やかな連打で1点を奪っている。吉井投手の高めの球のときたまではあるが威力がある。

 彦根球場は寒い。風の吹き通しがいのか、よく風に吹かれれる。お出かけの際には上着は必需品です。特にバックネット裏はほとんど影になっていて救いようがありません。スタンドは幾分か日が当たっているのでましなのですが、あそれでも由型ころには寒くてふるえていました。
 まだ2回戦なのだが、2試合とも控え部員とマネジャーそしてごく少数のクラスメートらしき子が数人応援に駆けつけていて、アカペラで声援を送っていた。豪華なブラスバンド演奏や華やかな人文字もいいけれど、こういう手作り即興応援の素朴で良かった。私が滋賀の高校野球に対して持っている印象は「暖かく見守る目」である。マスコミのそうだし。また応援している人たちもそうだ。そして何より彼らも与えられた立場で精一杯高校野球を謳歌している。滋賀県の高校野球を見ていると、「ああ、高校野球って部活動の一貫なんだな」と認識させてもらえる。
 日が傾き、冷たい風が身に染みる。一方的な試合展開の中にあっても応援団は元気に声を張り上げていた。「子供は風の子」という言葉をふと思い出した。

追伸:彦根球場の裏には近江高校がある。この日は翌日の試合にそなえてか野球部がグランド前面を使った練習をしていた。そして、第二試合途中に準Vメンバーの3年生が球場に顔を見せた。めざとい女の子たちが写真を撮ってもらっていた。