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2001年09月23日(日) ■ |
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送りバントに泣き笑い?! |
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秋季京都大会2次戦1回戦 東山ー洛西 於・あやべ球場
東山 7xー0 洛西 (8回コールド)
スコアだけ見たら、東山の楽勝かに見える。しかし、そこには様々な喜怒哀楽が見えた。
昨秋出来たばかりのあやべ球場に行くのは、もちろん初めてだ。相方に車を出してもらって、朝8時半に地元を出発した。車で2時間半。試合開始直前に球場に着いた。町外れにあり、外観は大きな煙突の輪切りにしした感じ。大男がミニチュア球場の模型を作ったらきっとこんな感じになるんだろうな。晴れていたこともあり、土も芝生もスタンドも色鮮やかだった。欠点は日陰が少ないこと。フィールドにいる選手はまぶしくてとても守りにくそうだなと思った。観客席のわずかな日陰は。スタンドの最上段。すでに観客の多くがそこを陣取っていたが、なんとか間に入り込むことが出来た。 さて、観戦である。 中盤までの東山の攻撃はちぐはぐだった。3度試みた送りバントは全て失敗。あまりに打球が素直だった。送りバントを多用するチームなのであまり失敗することがないだけに、少し動揺した。毎回ヒットを打ったりした出塁しているにもかかわらずなかなか得点出来ないのもやむ終えないなと思った。 一方、東山の先発・沢田投手(フォームが阪神のカーライルにそっくりらしい。私はよくわからないけど(^^;))は上々の立ち上がりを見せた。奪った三振は3、許したヒットは1。そのヒットも投手・セカンド間に落ち、投手とセカンドが交錯したいる間にバッターが一塁にたどりついた内野安打だった。声かけがきちんと出来ていなかったのかおもしれないが、積極性故のものであるため、お見合いよりはなんぼかマシだと思った。死球が二つあったが、与四死球は4イニングでその二つだけ。前回の鳥羽戦を思えば充分な投球だ。 洛西・佐伯投手は、夏に一度見ているが制球力がよく、打たせた取るピッチャーだ。バントの失敗のことを前述したが、彼のフィールディングか何かにそうさせてしまうものがあったのかもしれない。しかし、ついに先制点を奪うときがやってきた。先頭バッター・4番・梅田選手が右中間と破るツーベースで出塁。このところ一発へのこだわりを捨てた感のあり、このところは二塁打が多い。そして、5番・井上選手はバントの構え。序盤ですでに3回の失敗。一抹の不安があったが、4度目の正直(?)でようやく成功した。山崎監督の野球はどうやらこの送りバントに重点を置いているようだ。以前にも、バントから相手投手を崩し大逆転した試合があった。6番・今堀選手は倒れたものの、7番・立本選手がライト前に打ち、二塁ランナー・梅田選手がホームイン。ついに先制!回は中盤だったが、すごく待ち遠しい先制点だった。 しかし、試合の流れは動かなかった。洛西の佐伯投手は次打者・代打の深井選手を冷静に三振に仕留めて、追加点を許さなかった。5回から代わって関投手も好調でほど洛西の攻撃を毎回三者凡退に抑えた。すもうの力士ががっぷりよつに組んでまったく動かないような試合展開。このままだと、そろそろ追加点が欲しい。こういうときにダメを押せないと、終盤に入ってから不利になる場合が多い。 7回表は、三振と二塁ランナーの三盗をさしてゲッツー、続く8回表は二死三塁のピンチにセセンターへの大飛球を野口選手が好捕。スタンドが一気に盛り上がった。次の回、もう1,2点は欲しいなあ。この勢いをなんとか攻撃に持っていきたいところ…。 8回裏。思いがけないエンディングが待っていた。 先頭バッター・那谷選手がライト前のヒットを好走塁でツーベースにする(タイミングは際どかったが、「こういう場合、中継が入ってたらセーフになるんや」とは相方談)。ここはとりあえず「もう1点」が欲しい場面。3番・藤井選手には送りバントが命じられたようだ。1−1からの3球目がサード線に転がった。ボールはファウルグランドに逃げていくかに見えた。洛西の野手はボールを見送った。あと5センチくらいでファウル線。これはダメか?しかし、その時、ボールは緩やかに方向転換してフェアグランドに入った。藤井選手は一塁キャンパスが駆け抜けていた。「うまい!」「すごいバントや」「やった、やった!」。軽い動揺と歓声が三塁側スタンドを覆った。これ、狙ってやったんかなあ?私は「嘘みたいやなあ」と半分信じられない思いでいた。しかしながら、「この試合、決まった!」と初めて確信に近いものを感じた。次打者・梅田選手はライト前タイムリー(今日、猛打賞!)。そして、5番・井上選手のバントもまたサード線に転がった。前回の藤井選手と全く同じ打球。洛西野手は今度も見送るとこを選択。しかし、またボールは切れる直前にフェアグランドへ!前回の再現VHRでも見てるのかと思った。スタンドのボルテージも上がるばかり。 流れは完全に東山。6番・今堀選手、7番・立本選手の連続タイムリーで、スコアはすでに6−0。隣にいらっしゃった某選手のお母さんが、「あと1点、あと1点!」と声を上げていた。一瞬「??」と思ったが、すぐに気付いた。 バッターは8番・関投手。先日の南陽戦では彼がスクイズを決めて、8回コールド試合を決定づけた。そして、同じ8回裏、あと1点というところで、また打席に立つことになるとは…。結局、相手キャッチャーのパスボールで、関選手がバットを振るまでもなく、サードランナーが還ってきて、試合終了のサイレンが鳴った…。
正直、こんな展開になるとは思わなかった。 序盤は苦しめられていたバントに終盤助けられるなんて。全く試合展開ってわからない。 洛西の佐伯投手はコントロールがよく安定していたピッチャーだった。ボールは特に速いというわけではないけれど、打ち取ることが知っているピッチャーで。きっと平安とか成美とかいう強豪打線でもそこそこ抑えることの出来る投球をしておたように思う。最後は、あのバントヒットにやられてチーム全体が集中力を切らしていたため、大量点をとられるはめになったが、本来はこういう崩れ方をする投手ではないはずだ。 あのバントヒット、東山にとっては「奇跡のバントヒット」だったが、洛西は一概に「不運はバントヒット」だけではすませないはずだ。2度目のバントヒットは一度目のバントヒットを許していたら、ファウルになるのを待たずに処理が出来たのではないかと僭越ながら思ってしまう。(気のせいかもしれないが、ファウル線の周辺は土が少し盛り上がっているように見えた) コールドを決めたものを始め、洛西の捕手のパスボールが目立った。今日一番悔やんでいるのはこの選手だと思う。洛西の放った2安打はすべてこの選手が放ったものだっただけに…。
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