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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年09月29日(土)
「ごうまん」ちゃん?!


 秋季京都大会2次戦2回戦 東宇治ー平安 於・福知山球場

 東宇治 0−5 平安

 知人に東宇治高校の関係者がいるのが縁で、同校の試合を今春から2,3回見ている。2年生主体のチームであったので、今年は期待できるなとは思ってはいたが、まさかここまでくるとは失礼ながら思わなかった。夏のトーナメント制だったら、ベスト16にあたる。前の亀岡戦で勝利を収めたあと、「相手は平安やしなあ、でも、コールドはイヤやし。0−6とかやったら充分ちゃうか?」というのが、周りの声だった。学校のある土曜日なので一般生徒は来れなかったが、これは一大イベント(?)。父兄会は応援バスを出して、朝早くから地元・宇治を出た。
 甲子園メンバーの数多く残るチームに0−5は相当な善戦だと思う。最大の功労者は、東宇治のエース・伊藤投手だ。上背のそれほどない右投げ。しかし、球のでどころがわかりにくい(相方談)ので、平安の打者の見逃しが目立った。最後まで集中力の切らさないピッチングで三振も7,8個は奪ったはずだ。守備で印象に残ったのはサード・加茂選手。約2ヶ月前、この球場で行われた夏の京都大会の洛西戦にも出ていた選手だ。1−3で敗戦後、球場の外でうつむき、微動だにせずにずっと泣き続けていた。ここぞという打球がひたすらサード戦を襲ったからだろうか。そのあたりはよくわからないが、「ずいぶん練習したんやろうな」と思った。平安のバッターから放たれる強烈な打球に負けていなかった。球を裁くのも怖がっているような選手がいたことを思えば、その成長は伺える。
 しかし、試合が締まった訳を明確に指摘せよと言われたら、1回表のこのプレーを挙げる。
 1回表、平安の攻撃。先頭バッターはストレートの四球で出塁。スタンドが数段しかなく、そこから選手の表情が見えてしまうような小さな球場で、甲子園さながらの声の応援をやられたらびびらないピッチャーもそういないだろう。そのあと、堅実に送りバント。攻守の要・3番・今浪選手に託された。今浪選手は期待通りセンター前に打った。それを見て、二塁ランナーがホームを狙った。前進守備をしいていた東宇治のセンターが捕手に向かってワンバウンド送球。ランナーはホームでタッチアウトになった。これで、東宇治サイドは俄然盛り上がった。「自分たちはやれる!」。そんなところだろうか。このプレーは単なる暴走ではない。相手守備をなめきった走塁だ。前述したが東宇治のセンターは極端ともとれる前進守備をしいていた。打球はセンター前、である。サードにいるならいざ知らず、もしこれが強豪を言われる学校が相手だと間違いなくサードで止まっていたはずだ。確かに格下の相手かもしれない。でも、公式戦で3つ勝ってきたチームだ。あの距離でホームで刺せないとは思えない。
 「平安、苦戦するんちゃうか」と思った。先発の倉谷投手がすばらしく、東宇治打線が全くと言っていいくらい手がでなかったので、表向きは「快勝」。しかし、本来なら初回でもっと攻め込むことが平安の実力なら可能だったはずだ。
 

追伸:平安の応援団もなかなか迫力があったが、1球ごとに甲高い声の上がる東宇治父兄会の応援もなかなアジなものだった。「おかあちゃんパワー」はやはりすごい…。
 父兄もみなさま、お茶とおにぎりをいただき、まことにありがとうございました。試合終了後におっしゃっていた言葉ではありますが、本当に「いい試合」だと思いました。