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2001年10月05日(金) ■ |
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来年のことを言うと鬼が笑う。 |
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昨日のヤクルト戦、善戦するも引き分けで、我らが阪神タイガースの4年連続の最下位が決定した。 しかし、私個人はそれほどショックでも腹立たしくも、諦めの境地でもない。「それはファンとしての堕落ではないか」と言われればそれまでかもしれない。「最下位」とか「弱い」という言葉に完全に慣らされ、免疫がついているのも事実ではある。 阪神タイガースを愛する人と、短編小説や単発ドラマが好きな人とはなんとなく似ているように思う。阪神を応援するにおいて、140試合あるペナントレースや順位や勝率をその中心におくと、ストレスがたまってかなわないし、よほどのマゾ(下品ですみません)でないと耐えられないと思う。確かに85年の日本一のようなことはありゆる。でも、一概にそれを信じるだけではファンとしてもしびれがきれてしまうのではないだろうか。実際私の周りにも、「しびれをきらせて」阪神ファンを辞めてしまった人はいる。 私も数年前は阪神タイガースを見放しかけた。しかし、阪神を短編小説や単発ドラマなんだと考えるとこれほど面白いチームはないと思う。短編小説や単発ドラマとはどういうことか。それは、試合を「140試合のうちに1試合」ではなく、「1試合はあくまで1試合」と捉える、また「阪神タイガースのメンバーの一人」ではなく、「あくまで1プロ野球選手」として見る。そういうことだと考えていただきたい。ダントツの最下位を突き進んでても、首位のチーム相手は1タテくらわせたり、大量点差をつけてみたり、大逆転をしたり…。考えられないほどお粗末なプレーをしたり、あっと驚くプレーでファンを魅了したり…。わからないチームである。だからこそ、目を離せない。タイガースの試合を見ていると、「140分の1」という思想で試合を見ていることがひどくもったいないように思う。 また、今年は著しく選手の育ったシーズンだと思った。最大の課題である若手は、投手では井川、打者では濱中や赤星、上坂に藤本…。また中堅なら成本や谷中など「後がない」移籍組が踏ん張っている。ベテラン勢では広澤。正直、ここまで活躍するとは思わなかった。なんと言ってもホームランを打てるのが魅力。小技系の選手が多いなか、広澤の存在はタイガース野球の個性を際だたせるために不可欠な存在となっている。若手以外は移籍選手の活躍が大きいのは多少気になるところだが、それでも何もないよりかははるかにいいわけで。移籍選手に冷たいというイメージを払拭できたのではないかと考えている。カツノリもいろいろ言われたが魅せてくれた選手の一人だ。 個人的にはルーキー藤本選手のファンになったし、首位ヤクルト相手に9回に4点差をひっくり返した試合も見れたし、2001年のタイガースは楽しかった。 え、若手もベテランも移籍組も来年はどうなるかわからないって? 何言うたはるますの。ほら、ことわざでありますやん。 「来年のことを言うと鬼が笑う」って。
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